#９ ページ11
ショッピside
早めに目が覚めた。
時計を見れば、朝食の時間より一時間半ぐらい余裕がある。
いつもなら二度寝するのだが、今はそんな気が一向にしなかった。
俺はベッドから出て部屋の扉を開け、特に用事はないのに城内をぶらつくことにした。
我々国の幹部になってもう1年近く経とうとしている。
あのクソ先輩の紹介と実力で、一般兵から第二遠距離射撃部隊隊長まで昇格したが、正直毎日が大変だ。
先輩たちに較べれば、実力も人脈も経験も適わないのだから。
「…射撃訓練場、こんな時間に来たんは初めてやな」
いつもは、銃弾の音や兵士の声で賑わうのに、この時間だとこんなにも静かなのかと驚く。
朝練する兵士は多くはない。
それでも熱心な兵士は朝早くから夜遅くまでやるし、そうでも無い兵士は訓練内のみ行っている人もいる。
流石にこんな朝早くにしている人は誰もいないが。
きちんと整理された銃を見て、頑張らんとなと思う。
そろそろ戻ろうかと思い、踵を返そうとすると誰もいないはずの室内に1つの小さい人影が見えた。
ここは完全防音だから、銃弾をぶっぱなしても他の部屋や廊下に音が漏れることはない。
だから、訓練時間に沢山の兵士が撃っても支障はないのだが……自分の部下だろうか。珍しいな。
遠くからだが見てみようと思い見守っていれば、影の主は丁度狙いを定め、トリガーを引くところのようだ。
だが、おかしいのはその距離。
この射撃場は入口から遠くなるにつれてヤード数が大きくなっていく仕組みになっている。
つまり、入口から1番近いのが的から近くて、1番入口から離れたところが遠いというわけだ。
＿あいつ…何モンや？ざっと見やけど700はあるで？
700ヤードと言ったら、約640m。
不可能かと言われれば、そうではないし、撃てるスナイパーももしかしたらいるかも知れない。…が、
「あの人…モニターの的いっちゃんちっこいのにしとる………？何モンやねん、あの人」
出来るわけがない、そう思った次の瞬間、そんな俺の考えを嘲るかのように銃弾は見事に的の心臓部分を撃ち抜いた。
寸分の狂いもなく、実際に人へ撃てば即死するだろう＿
あんな凄腕は俺の隊にはおらんかった。
だとしたら、大先生の隊員か？
でも、700ヤードを撃ち抜くほどの実力者なら絶対に気が付くはずだ。でも今まで見たことがない。
…新人？いや、違う。
＿じゃあ、一体誰が…
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そあ - とても素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。今まで見た事ない結末で、終始己の感情を揺さぶられながら見ていました。言語化ができないくらい本当に感動して涙が止まらなかったです。改めて、こんなに素敵な作品を創り上げていただきありがとうございま (2023年4月16日 9時) (
レス) @page50 id: 631f5adca0 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 読み終わった頃には涙でびしょびしょでした…。号泣…。ありがとう…。 (2023年2月4日 7時) (レス) @page50 id: fdfca7d6d9 (このIDを非表示/違反報告)
うなん(プロフ) - この作品が作られた時から知っているのに今読んでもあまり泣かない私でもとても泣いてしまいます… (2022年8月23日 23時) (レス) @page50 id: 1526234c9f (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 他人を不幸にして自分は幸せになる綺麗話か (2022年8月10日 18時) (レス) @page48 id: 12da5077e2 (このIDを非表示/違反報告)
四季 - 泣きました(((とても楽しく拝見させていただきました！泣きました(((とにかく号泣で(((素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年7月12日 16時) (レス) id: b733f218de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らある
| 作者ホームページ：http://kain00765467/yuki.pearl.//
作成日時：2020年3月23日 15時
