添い寝フレンド【WN】 (ページ19)

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vn「お疲れ様です。お先に失礼します」

時刻は夜十時。

酔っ払いたちのテンションがピークになり始めた頃、ハンソルくんは店長に声をかけスタッフルームに行ってしまった。

この店は店長と副店長と、私とハンソルくんの四名で回してる少数精鋭店。

お店自体そんなの大きくないものの、これから年末年始にかけて混み具合がピークになるのを考えると頭が痛くなる。

「来年からハンソルが大学生になるから楽になるね」

カウンターでお酒を作ってるチャンミンさんが笑顔で言う。

『ハンソルくんが大学生になるのを待つんじゃなくてもう一人雇いましょうよぉ』

高校生のハンソルくんは10時以降は働けず、毎回忙しくて目が回りそうなのだ。

狭い店内を忙しなく動き回りながらチャンミンさんに文句を言うと、常連さんがゲラゲラ笑いながら会話に入ってきた。

「顔が良くねーとここ受かんないって噂だよAちゃん」

『え？！そうなんですか？私顔採用だったんですか店長！』

厨房にいる店長に聞こえるように少し声を張り上げると、そんな訳ないでしょ！と大きな声が返ってきて常連さんは更に笑っていた。

そんな常連さんとの会話を続けていると、制服に着替えたハンソルくんが挨拶をしに戻ってきた。

vn「ヌナお疲れ様、帰り道気をつけてくださいね」

『おつかれー！ハンソルくんも帰り道気をつけてね。綺麗な顔してるから男の子でも油断はダメだよ〜？』

vn「はい」

私の言葉に今日一番の笑顔を見してくれたハンソルくんは、カウンターの常連さんと、店長たちにも声をかけて裏口から帰って行った。

そのハンソルくんの後姿が、愛しのカナダのカモメ眉毛の彼と重なって恋しくなった。

性格や顔は全然似ていないのに、纏う雰囲気が似てるのかな。

ふとした瞬間に彼が重なる。

今日はカナダのことを沢山喋りすぎたみたい。

彼らに会いたいという気持ちが溢れそうなのを我慢して、私を呼ぶお客さんの声に意識を戻した。