♯屋上 ページ12
A side
屋上に鍵がかかっていたら
その手前の踊り場で休もうと決めていたけど、
運よく鍵はかかっていなかった。
分厚いドアを押し開けると、
生暖かい春の風が私を包み込んだ。
『 疲れたーーーっ 』
屋上にきて正解だと思った。
ここなら誰にも邪魔されず、
1人でボーッと考えることができる。
屋上の真ん中ら辺で地面へと倒れ込むと、
真っ青な空が映り込んだ。
「 おい 」
頭上の方から声がして起き上がると、
学ランの下に赤色のシャツを着た男性が立っていた。
『 なんでしょうか 』
「 そこ、俺のとこなんだけど 」
『 はい? 』
よく見てみると、S9の渡辺翔太だということが
分かって、思わず溜め息が出た。
渡辺「 どいてくんね? 」
『 いつからあなたの物になったんですか? 』
渡辺「 今から 」
『 じゃあ、今この瞬間から私の物で 』
渡辺「 はぁ?お前、俺のことナメてんの? 」
『 そういうことじゃないです 』
これ以上話したくないから。と言ってしまえば
余計にこじれると思って、
それ以上は言葉にしなかった。
しぶとい私に諦めたのか、
渡辺翔太は私の隣に腰をおろした。
渡辺「 お前、昨日食堂にいた? 」
『 いましたけど、 』
渡辺「 やっぱり。
どっかで見たことあったと思った 」
『 昨日転校してきて、
S9のことは友達から聞きました 』
渡辺「 俺のこと、なんて言ってた? 」
『 そのまんまです 』
渡辺「 意味わかんね。笑 」
美希から聞いた情報だとたしか、
渡辺翔太はS9といる時以外笑ったことがないはず。
『 失礼ですけど、渡辺翔太…先輩ですよね? 』
渡辺「 友達から聞いたんじゃねーのかよ。笑 」
『 いや、聞きましたけど 』
渡辺「 俺が渡辺翔太だったら何? 」
『 別に 』
渡辺「 お前まじで意味わかんねーな。笑 」
これ以上考えたら
本当に心も頭も崩壊しそうだから、
もう一度寝そべって空を見上げた。
渡辺「 お前さー、 」
『 先輩いつまでここにいます? 』
渡辺「 特に決めてねーけど 」
『 じゃあ、チャイムが鳴ったら起こしてください 』
渡辺「 は!? 」
そのまま目を瞑って、
自己中にも私は意識を手放した。
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leechan - 零さん» コメントありがとうございます!続編も頑張ります! (2021年1月20日 21時) (レス) id: 3dac29f62b (このIDを非表示/違反報告)
leechan - おーやんさん» ありがとうございます!更新をお待ちください! (2021年1月20日 21時) (レス) id: 3dac29f62b (このIDを非表示/違反報告)
零 - お話、すごく好きです!!続編楽しみにしてます! (2021年1月20日 17時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
おーやん(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます!S9最高です!続編がでるの楽しみにしています!! (2021年1月20日 12時) (レス) id: 7c71f694df (このIDを非表示/違反報告)
leechan - 祐莉さん» ご意見ありがとうございます!今後の更新を楽しみに待ってくださるとありがたいです! (2021年1月19日 12時) (レス) id: 4afeda7977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:leechan | 作成日時:2021年1月13日 2時