怪異事件担当部署【オリジナル】 (ページ3)

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　ドアを開けると中々の散らかりようだった。

　デスクの上には塵の山、しかもそのほとんどがウインダーゼリーだ。
　おそらくこのゼリーを飲んだ人物はあの人だろう。見るからに不健康そうな……というよりかは不機嫌そうだが俺の直感が彼だと言っている。

　風の噂で聞いたことがある、警視庁内ではそこそこ有名な『パワハラ鬼上司・櫻山(さくらやま) 良介(りょうすけ)』だろう。右眼に大きく入った傷による隻眼が彼で間違いない事を現している。

「お前か、怪事部に回された新人の柏木というのは」

「は、はい。捜査一課から来ました柏木(かしわぎ) 蓮(れん)と言います。
よろしくお願いします！」

「ああ、よろしく頼む。俺は櫻山良介だ。ここの指揮官を務めている」

　……非常に怖い。
　ただでさえ目つきが悪くて怖い雰囲気を醸し出しているのにも関わらず不機嫌オーラが満載だ。
　これで怖がらない奴がいたら凄いだろう。俺は素直に尊敬する。

「まぁまぁ、そんな硬くならずに～
ここまで来るの大変だったでしょ。しかもこんな不機嫌なやつに初っ端から絡まれるし」

「おい桐生、何が言いたい？」

「別に？最初からこんなやつに顔合わせなきゃなんないなんて新人ちゃん可哀想だなぁーって思ってただけ」

　見えない火花が散っているのは先程まで俺と話していた櫻山さんと背後から現れた桐生さん、本名を桐生(きりゅう) 海夜(あまや)。

　確か桐生さんは女性への扱いが上手く、いつも沢山の女性に囲まれていたはずだ。最近姿をあまり見なかったのはこの部署に配属されていたからか。
　すごくモテるくせして彼女がいた事ないとどこかで聞いたことがある。

　あと、櫻山さんと同期で犬猿の仲と言われてたような。

　捜査会議で何度か一緒になった事があるがバチバチだった記憶がある。
　それはもう、周りの奴らがビビり散らすほどだ。同期が「一生あの人らと仕事したくねぇよ……」などとほざいていたし、気持ちはすごく分かる。

　これから俺、生きていけるか……？

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