オレは神々に愛されていたようです (ページ18)

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＊南方へ＊6＊ページ18

「信じても、いいと思う。」

迷った末の結論だった。

「……今………なんて………………。」

レイの瞳が、微かに揺れる。

「オデュスの事、信じてみよう。」

まぁ、欠片も信じてねぇけどー。←

こっちに有利な情報があるなら、吐いて貰う。

で、サヨナラしよう。

そんな魂胆だったのだが……

「ひ、どぃ、ですよぅ……A様ぁ…うぇっ……………ひっく…」

何故泣く。

「あーあー泣かせよったー(棒)」

「なんだろう凄くウザい。」

「わーるいなわーるいなー。」

「うぜぇ！！」

言い方がなんとも言えないウザさ。
って、泣かせるつもり、微塵もなかったんだけど…。

「わっ、ワリィ！！レイ、その、あのな…。」

生まれてこのかた、女性を泣かした事のない(女性との接点が無かっただけ)
オレは、しどろもどろで言い訳を開始←

「うっ……A様は…私の、信頼が……薄いんだぁ…ふぇぇぇぇぇん！」

「い、いや、あのな、そうじゃなくて…。」

「……言い訳なんて聞きませんっっっ！！！」

チリッと、髪に何かがかする。

よく見ると、毛先がこげ…………
………………………え？焦げてる？

「私…怒ってるんですから、ね……！！」

涙でぐしゃぐしゃのレイ(絶賛大泣き中)の周りに、炎の柱がたちのぼる。

「やばっ……。」

焦った顔のオデュスが、そう溢した。

ってか、“やばっ”てどういう事。

と、思っていると。

スッとオレの横を通り抜けるオデュス。

「っ…来ないで下さい。貴方では私に敵いませんよね？」

「わかっとるわ。今はあいつおらんねんで。
暴走も大概にせーよ……サラ。」

「その名で我を呼ぶなっ！」

……なんなの一体。

サラって誰。

「ったく…手間かけさせよって。」

捨て台詞のような言葉を投げ、レイに向かって走り出す。

その手にはー･･･ナイフ。

「っ～～～！！？やめろっっっ！！！！」

時既に遅し。

地面には、ポタポタと。

赤い液体が染み込んでいった。