【鬼滅の刃】恋柱に惚れられました。【甘露寺蜜璃】

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兄さんがいなくなってから数週間


母さんは見違えるように別人になってしまった


兄さんが生きてた頃の明るさが、今の母さんにはなかった


常に暗く、僕が口を開けば手がとんでくる


暴言暴力の日々が当たり前になった


「なんで貴方が生きてるのよ...」


こんな言葉なんか聞き飽きた


母さんにとって僕よりも兄さんの方が大切だったみたい


母さんのこの言葉を聞くたびに思う


もし兄さんじゃなくて、僕が鬼に殺されていたら...


母さんは前みたいに明るく、兄さんと楽しく暮らしていたのだろうか


そう考えてしまう


『...母さん』


「...なによ」


『母さんにとって僕は...どういう存在なの？』


「...私にとって、貴方は...どうでもいい存在なのよ」


『.....』


「正直、貴方よりも将太だけ産まれてくればよかった。そうすれば、将太が殺されずに済んだ。でも、貴方が今ここにいるせいで将太は死ぬ運命を辿ったのよ...」



『...兄さんは、僕を庇ってくれた』


「だからなんだっていうのよ。私は貴方よりも将太が大切なのよ...！」


『...やっぱり母さんにとって僕はいらない存在なんだね』


「当たり前じゃない...貴方はいらない。だから早く出て行って」


『...そっか』


僕は母さんのこの言葉をきっかけに家を出ることにした









『母さん、今までありがとう。...さようなら』


そう母さんに告げ、僕は家に背を向けた

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