123時間目 ページ23
「･･･はぁ」
仮の家に着いて、制服も脱がずにベットに転ぶ。
手を見つめれば、先程の光景がフラッシュバックする。
「･･･これも、触手をつけた所為なのかな」
ずっと心の中に蓋していた感情。
･･･出来損ない僕を、あの人が覚えているはずがない。
成績は彼奴の方が断然上だった。分かっていても気に入らなくて、自分だけを見て欲しくて。
だから、いつもあの人はこう言っていた。
“こんなことも出来ないのか”
“それで私の後継者を名乗る気なのかい？”
あの人に認められたくて。でも、出来なくて。
あの人が連れ去られてしまったのも、僕が弱かったから。もっと強かったら、あの場で全員殺して兄さんを救えたのに。
だから、嫌な自分の身体を改造した。いや、改造して貰ったのほうが正しいか。
兄さんのような華麗な動きが出来るようになりたい。
ならば、自分の重さを軽くすれば良い。
一つ欲して、それをかなえてしまったら欲が止まらなくなって。
毒の効かない身体になりたい。
どんな人間も魅了できる身体になりたい。
ありとあらゆるものを使いこなせるようになりたい。
自分の名前が世の中に流れ出し、恐れられるのも時間の問題だった。
･･･兄さんがいなくなってから、僕は突然的に変わってしまっただろう。
『レオン』と言う名前が、今では恐れられている。
兄さんに近い存在、とまで言われたときはどれだけ嬉しかったことか。
でもまだ。まだ“足りない”。
あの人に近い存在になるには、まだ足りないんだ。
「･･･でも、それでもいい」
長い時間関わっていても、それっぽい態度や雰囲気を態と出してもあの人は気づいてくれない。“僕”に、気づいてくれないんだ。
それでも、何処か期待している自分がいて。
自分の赤い目が、黒い髪の色が嫌いだった。「悪魔のようだ」って言われるから目の色をカラーコンタクトで偽装して、髪の色も明るい金色に染めた。伸ばした髪も、肩までばっさり切った。
でもあの人と同じ黒色の髪を綺麗さっぱりなくすのは嫌で、毛先だけ黒い部分を残した髪。
この触手だって、最初はあの人と共通するものが欲しくてつけたんだ。
「･･･依頼。準備しなくちゃ」
先程送られてきた依頼内容。
情報屋のレオンで依頼が来たのだ。
暗殺者の方じゃなくて良かった。今ならヘマしそうだったから。
制服を脱ぎ捨て、変装する準備をした。
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恵野(プロフ) - 柊りあさん» いえいえ！むしろありがとうございます泣 更新は現在時間が取れず出来ないのですが、今週の土日には時間ができるかもしれないので、その日を予定してます！ (2020年1月14日 21時) (
レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
柊りあ(プロフ) - 更新頑張ってください！一からまた読み返したんですけど、やっぱり面白い……!!応援しています！(何回もコメントするの、しつこいですかね？) (2020年1月14日 20時) (レス) id: 18aaf501b2 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 柊りあさん» コメントありがとうございます。更新出来ない期間が長かったので、書いた内容を覚えておらず曖昧な所もありますが…汗 これからも見てくれると嬉しいです！ (2020年1月4日 14時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
柊りあ(プロフ) - この作品、面白くて好きです。これからも頑張ってください！ (2020年1月4日 14時) (レス) id: 18aaf501b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年10月24日 17時
