159 過去編 ページ9
お昼ご飯を食べた後、僕と兄さんは選別会会場に着いた。
『いよいよだねA』
『う、うん』
『代表になる。そして、一緒にあのフィールドを走るんだ！』
兄さんが僕に握った拳を突き出す。
それを見て、僕も拳を突き出し、兄さんの拳に軽く当てた。
『勿論！！』
・
『なあ、あの人A悠じゃないか？』
『まじ？自信なくなって来た･･･』
僕たちが会場に入った途端に聞こえた声。
改めて兄さんが有名だった事を再認識させる。
･･･それより人多いなぁ。何人いるんだろう？
『悠さんの隣にいるのは誰だ？』
『弟じゃね？』
『悠さんそっくりだ！』
･･･ん？
周りの声を聞いて、キョロキョロと周りを見渡す。
『A。恐らくお前の事だよ』
『えっ僕の事！？てか、なんでわかったの？』
『だってA、わかりやすいんだもん』
兄さんが笑いながら言った。
うぅ･･･。何か恥ずかしい･･･。
と言うより、僕＿＿＿
『男に見られてる！？』
『そうみたいだね。多分、髪が短くて、俺に似ているからじゃないかな？』
兄さんが微笑して言った。
実は兄さんの髪型を真似してるんだ！･･･なんて言えない･･･。
赤くなっているであろう顔を見られたくなくて、下を向く。
まさかこの髪型だけで男に見られるとは･･･。
『今はその髪型で良かったと思っているよ』
『なんで？』
頭の上に何か暖かいものが乗る。･･･兄さんの手だ。
『だって、その髪型なら女の子だってばれないだろ？そんなことでってお前は思うかもしれないけど、そのお陰でお前を守りやすい』
確か、僕があの頃吐かれた暴言の中に『女だから』という言葉があった。
まあそれが、今の髪型に繋がったのもあるけど。
僕は顔を上げて、兄さんを見ると、兄さんと目が合った。ずっと見てたのか･･･。
『じゃ、じゃあここでは、女の子みたいな素振りはしていけないってこと？』
『そういうこと』
『男の子とばかりいたから、大丈夫！』
だってチームで女の子、僕一人だし･･･。
実は最初、空のこと女の子と思っていたんだよね･･･。ちょっとショックだった。
『おっ、もう始まりそうだな』
マイクが設置された場所に男性が現れる。
始まると分かると、胸が高鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» ありがとうございます…！ 中々更新に手が回らず、ずっと下書き状態で止まってるものばかりですが、作ったからには完結させたいと思っていますので、お時間あるときに覗きに来ていただければと思います！ (2023年3月12日 15時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» 他の作品も楽しみに待ってますね！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» キャラの特徴掴めてましたか…！？ 所々こんな一面もありそうだなっていう想像や捏造がほとんどでしたが、違和感なく思えていただいてたみたいでよかったです！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» いえいえ、恵野さんが作る作品は、面白いところもあるしキャラもちゃんと掴めているので見ていて、尊敬できます！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» まだまだ拙い部分がありますが、そう言って頂けるとは感無量です泣 (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2019年8月25日 19時
