173 過去編 ページ23
“ザ・ブラスト”
威力が高すぎて人を吹き飛ばして相手を怪我をさせてしまう可能性が高い、と兄さんから使用頻度を制限されていた必殺技だ。
でも、許して兄さん。
だって、兄さんの事を侮辱したんだよ？
許せない。
楽だった？ふざけるなよ･･･。
『その言葉を、吐けないようにしてあげる』
僕は無意識に、近い付いてくる
目の前に居るのはGKただ一人。
『ひぃ･･･っ！』
あーあ、震えちゃって。怯えてるの？
その青ざめた顔、見ていて愉快だよ。
自然と口がニヤける。
『天の裁きを受けるがいい＿＿＿“シャイニング・エンジェル”』
無意識で口に出たその必殺技は、輝かしい光を放っていた、と言うことだけ覚えていた。
・
鳴り響くホイッスルで我に返った。
4-3
我に返ったときは試合が終わっていた。
それと同時に身体に襲いかかる激しい痛み。
そんな中でもただ分かっていることは＿＿＿
『･･･勝てなかった･･･っ』
痛む身体に負け、膝をつく。
周りにいる相手選手はお互いが支え合ってベンチに戻っていく。
＿＿＿そうさせたのは僕だ。
感情にまかせて相手を怪我させてしまった。
後悔と恐怖が混ざって、気分が悪い。
『A、ミーティングだぞ。いくぞ』
『･･･うん。いっ･･･！』
チームメイトが呼びに来てくれた。
立ち上がろうとしたら、全身に痛みが走る。
『無理すんな。ほら肩貸してやるから』
『･･･ごめん』
肩を貸して貰ってベンチへ戻る。
皆から『お疲れ』やら『よく頑張った』と声を掛けられるが、今はその言葉が痛い。
『･･･A、よくやった』
『･･･はい』
監督はいつも一人一人に一言だけ声をかけてくれる。
でも、その一言に込められた思いが伝わるからこの人は好きだ。
『･･･みんなごめんね。勝てなかった。それに、日本の印象を悪くした･･･っ。
＿＿＿僕は、代表に相応しくない』
皆が僕の声を聞いてくれている。
それだけでも嬉しくて。
でも、もう
人に怪我を負わせる人間はここに立つ資格はない。
それに＿＿＿
何よりも、兄さんのいないサッカーなんて“つまらない”って事に気づいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» ありがとうございます…！ 中々更新に手が回らず、ずっと下書き状態で止まってるものばかりですが、作ったからには完結させたいと思っていますので、お時間あるときに覗きに来ていただければと思います！ (2023年3月12日 15時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» 他の作品も楽しみに待ってますね！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» キャラの特徴掴めてましたか…！？ 所々こんな一面もありそうだなっていう想像や捏造がほとんどでしたが、違和感なく思えていただいてたみたいでよかったです！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» いえいえ、恵野さんが作る作品は、面白いところもあるしキャラもちゃんと掴めているので見ていて、尊敬できます！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» まだまだ拙い部分がありますが、そう言って頂けるとは感無量です泣 (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2019年8月25日 19時
