暗殺者は今日も化けの皮を被る (ページ8)

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8時間目ページ8

E組の様子を見るため、昨日と同じ場所に身を潜める

と、下に気配

「ねぇ、あんたシロの助手でしょ？」

「・・・君は、確か」

赤羽カルマ

よっ、と隣の木の枝に上ってきた赤髪の男子生徒を見て、少女は少年の名を言った

「何してるの？

偵察？」

相手にしたくないので、黙ってグラウンドを見つめる

近づいてくる気配

赤羽は僕に触れようとしたんだろう

伸ばした手が僕が躱した事でからぶり、空を掴む

「・・・触らせてくれないんだ？」

「お前、行かなくていいのか

グラウンドに生徒が集まっているが」

「いいのいいの

俺、あのせんせーの授業受けたくないし」

「烏間殿のことか？」

「違うよ

鷹岡っていう昨日来た人」

あんたも見たでしょ？とグラウンドに指を指す

その指は身体の大きい男・・・鷹岡明を指していた

「・・・理由は」

「え？何か嫌だ」

「・・・なるほど

何となく君の気持ちがわかる気がする」

そう言って、僕は立ち上がる

「・・・？

何処に行くの？」

「場所を変える」

「えぇ～？

このまま俺の話し相手してよ」

「断る」

ターゲットの能力を知らない僕は様々な事に警戒をしなければならない

どんな些細なことにも、だ

僕は赤羽を置いて、場所探しのため移動した

「・・・って俺、本物の暗殺者と普通に話してた」

姿を眩ませた少女が去って行った方向を見ながら赤髪の少年は軽く笑いながらそう呟いた

そして、少年も森の奥へと姿を消したのだった

・

「思わぬ邪魔が入ったけど、まあいい・・・」

実は気になってあの男、鷹岡明について調べたのだ

三人の生徒だと思われる青年たちと一緒に仲よさげに写る鷹岡

多くハッキングしていた写真画像タブの中に気になる画像を見つける

「これは・・・

さて・・・」

Aは防衛省に訪れたときの事を思い出す

『・・・生徒が危険な目に遭った場合に、助けろ・・・と？』

『はい

これも貴方に依頼した内容の一つに含ませていただきます』

暗殺者に人助けをしろと・・・？

僕は殺すことしか脳に無い

それ以外の知識は“暗殺のため”だけに習得した物だ

「・・・貴方はこの力を“人助け”に使えると思いますか・・・？」

少女は超生物を見つめながらそう零した