トリュフ ページ9
「廉くんとは、まだそんなんじゃないってば！しかも、カイと同い年だよ？私年下と付き合ったことないし、」
「甘いわね、年下は意外と良いわよ。お父さんだってお母さんの一個下じゃない！それに廉くんは大人っぽいし。ねえ、カイちゃん！」
お母さんはすぐ私と誰かをくっつけたがる。
「しらないー。」
「あら冷たい。そういえばカイちゃんもそろそろ良い人いないの？」
「いなーい。」
海人は高校1年の冬以降一度も彼女を作っていない。それまでは中学の時から付き合っては1ヶ月程で別れるを何回も繰り返していたのに、
毎年この時期にはあり得ないほど大量のチョコをもらってくるので、モテてない訳では無いはず。
なにか衝撃的な恋でもしたのだろうか？
謎だ。
「かいー、カイの分できたよー。」
私が呼ぶと、ぴょこっと振り向き、スキップ気味に駆け寄ってくるカイ。
「明日渡した方が良い？」
「うん！明日が良いー。」
キラキラ目を輝かせているカイに聞くと、元気良い返事が帰ってきた。
「じゃあそうするね！」
「ねえ、」
「ん？」
「廉のやつ？それ。」
カイが指さす先にあるのは廉くん用にラッピングを終えた物だ。
「うん。そーだけど？」
何故か不満げな様子のカイ。どしたの？と顔を覗き込むとボソッと呟く。
「…廉の方がデカイ。」
えええええ、なんだその小学生のような台詞は。驚きながらも説明する。
「え、だってカイはトリュフで廉くんはブラウニーだから。それだけだよ？」
「カイもブラウニー食べたい。」
「え？カイ毎年トリュフが良いって言うじゃん。カイが好きだからカイとお父さんの分だけトリュフにしたんだよ？」
「どっちも食べるー。」
「全然良いけど、お母さんー！カイもブラウニー食べたいってー！」
台所で丁度ブラウニーを包んでいたお母さんに声をかける。
「Aの作ったやつが食べたい。」
と、こしょこしょ耳打ちしてくるカイ。
「ふふっ、なにそれお母さん泣いちゃうよそんなの聞いたら、あれ全部私が作ったやつだから貰ってきな。」
「よっしゃ。」
ひまわりが咲いたような笑顔を見せてから、またスキップ気味にブラウニーを取りに行くカイに今日も頬が緩んだ。
ラッキー海人
ブラック海ちゃん
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日向葵夏(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうごさいます。そんな嬉しいコメント頂けて、すごく更新頑張れちゃいます！頑張ります:) (2019年9月8日 14時) (
レス) id: 8e6d6b05f4 (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！！海ちゃんの可愛いさに癒されつつ廉君との今後の展開も気になります！！応援してますので更新頑張って下さい！ (2019年9月7日 22時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向葵夏 | 作成日時：2019年9月7日 4時
