にひゃくじゅうきゅう ページ25
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『……なんでそんな顔してるの』
万次郎「Aがイザナの話ばっかするから」
『…呆れないの？』
万次郎「呆れねぇって」
『わたし…最低だと思わないの？』
万次郎「全然思わねぇ。とにかくAが責任感じる話じゃねぇから」
『でも…』
万次郎「でもじゃねぇ」
万次郎は優しく頭を撫でたが、Aの気持ちは晴れなかった。
自分は花垣のようにタイムリープできる訳ではないから、過去へ戻ってあの日のやり直しをすることなんてできない。
だから、過去のことを悔やんでもどうしようもない。
しかし、今の自分の行動一つで万次郎やイザナ、東卍の未来が変わるかも知れない。
『マイキー……今のイザナは本当に何を考えてるのか、わたしにもわからない』
万次郎「ん、わかってる」
『マイキーを恨んでるみたいだった…。でも、その理由もわからない』
万次郎「うん」
『また、東卍の誰かが怪我をするかも知れない……。その時は……』
万次郎「東卍から、俺のそばから離れるとかは考えないで」
話の続きを遮る万次郎にAは息を呑んだ。
『どうして…』
万次郎「どうしてって、当たり前だろ？Aのことが好きだから他の男に渡したくねぇってだけ」
『あ…』
万次郎「何よりAは大事な東卍のかぐや姫だしな、他のチームに渡す訳ねぇだろ。お前は何も心配すんな」
『マイキー…』
万次郎「言ったろ？俺が後ろにいる限り、東卍は誰にも負けねぇって」
このまま東卍にいていいのだろうか。
これ以上、東卍に危害が加わるならその時は……。
誰にも相談していなかったがAは怖かった。
だから、この時の万次郎はAにとってヒーローのように見えた。
万次郎に初めて助けてもらったあの時のように。
『わたしがマイキーを守るって誓ったのに守られてばっかだね』
万次郎「俺は守られるよりAを守る方がいいんだよ」
『わたしにも守らせてよ、強くなるから』
万次郎「えっ俺、ムキムキのAは見たくねぇんだけど」
“なにそれ”と笑い合っていると、万次郎が真剣な顔をして静かにAの名前を呼んだ。
『どうしたの？』
万次郎「この騒動が落ち着いたら、もう一回告らせて？」
『もう一回…』
万次郎「やっぱAは誰にも渡したくない。もう一回言うから、今度は返事聞かせて？」
『…わかった』
そう返したが、Aの中で既に答えは出ていた。
わたしもきっとマイキーのこと好きなんだ。
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ゆず(プロフ) - いっちゃんさん» すみません。コメントありがとうございます。微修正や下書きをして保存した際に通知が届いてしまったのだと思われます。その際は更新通知をオフにしていたつもりでしたが、漏れていたようです。ぼちぼち更新していきますので、お待ちいただけますと幸いです！ (2023年3月1日 17時) (
レス) id: 5e3b7e37d3 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - すみません、更新通知が届くのですが、どれもNEWと表示されてなくて、、、続きが更新されてるのでしょうか。 (2023年2月5日 21時) (レス) id: 3e516dda96 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく面白くてすごく大好きです文才天才すぎです、、何回も読み返してます、、これからも無理ないペースで更新していただけたら嬉しいです！完結までついていかせてください！！ (2023年1月16日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
こーが(プロフ) - ありがたきお知らせ…！楽しみにしておりますが、無理せずご自愛ください…！ (2022年11月23日 9時) (レス) id: da454ef0ae (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - おもしろい！おもしろすぎて、ここまで一気読みしちゃいました！それぞれのキャラクターの心情が細かく書いてあって人物により近い視点で物語を読み進められました！続き、楽しみにしてます！ (2022年7月21日 21時) (レス) @page28 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2022年5月10日 19時
