第４章 １話 ページ20
-ライ side-
生徒会長はああ言ってくれたが、学園の中に記憶を取り戻すきっかけがあるとは思えない。
僕はどこから来たのか……。
このトウキョウ租界で、なにか見覚えのあるものを探し出すことができれば、それが手がかりになるかもしれない。
今はとにかく、なるべくいろいろなところを見て回るしかない。
そう思いあちこちに行ってみたが、やはり何も思い出せない。
ただ時間だけがどんどん過ぎてゆく。
歩き疲れた僕は、ベンチに座って目の前の巨大なモニターに映し出される映像をすがるような思いで眺め続けていた。
スザク「あれ？
こんなところでなにしてるの？
ライ」
ライ「君は……」
スザク「スザクだよ。
枢木スザク」
そう、スザクだ。
しかし学園の制服を着ていない。
軍服のように見えるが……。
スザクはこちらのいぶかしがるような視線を感じたらしく、
スザク「あ、この服？
そうか……。
君にはまだ言ってなかったけど、僕は軍の仕事をしているんだ」
ライ「軍の仕事？」
スザク「まあ、少し手伝ってるっていうか……。
それより、君はなにをしてたの？」
ライ「いや……別に。
なにもしていない」
スザク「ふふっ……。
君は変わった人だね、ライ」
記憶を取り戻すきっかけを探していると、素直に言えばよかったのかもしれない。
だが、スザクが軍で働いていると聞いて僕は警戒していた。
理由は自分でもわからない。
しかしブリタニア軍に対してはなぜか心を許せない。
スザク「そういえば、ミレイさんが心配してたよ。
『記憶もないのにどこをほっつき歩いているの？』ってね」
ライ「ミレイさん？
ああ、あの人……」
スザク「そうだよ。
だから今日はもう、学園に戻ったほうがいいんじゃないかな？
もしよければ、僕が道案内をするよ」
ライ「迷惑でなければ、お願いするよ」
僕は少し迷って、そう告げた。
スザク「ちょうどこれから学園の近くにある仕事場所に戻るところだったんだ。
だから迷惑なんかじゃないよ」
ライ「ありがとう」
スザク「ほかにも、なにか困っていることがあれば、遠慮せずに相談して。
はやく記憶が戻るといいね」
ライ「ああ、そうだね……」
スザクは僕のことを、本当に心配してくれているようだ。
なぜかわき上がった軍に対する警戒心は消えていない。
しかし、彼にまでそれを向ける必要はなさそうだ。
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サツキ(プロフ) - とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2018年2月25日 23時) (
レス) id: 4233adfc23 (このIDを非表示/違反報告)
綾女(プロフ) - 今年も良い作品を楽しませて貰いました。ありがとうございます。 (2015年12月22日 21時) (レス) id: bfef2e3bb0 (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 綾女さん» これからの布石として学園に編入するのは外せないと思い、このような形になりました！ ネタバレしちゃうけど、マオ編を絡ませるにはこれしかないと思い（笑） (2015年11月21日 19時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
綾女(プロフ) - 凄いです。夢主が学習に編入したからライやスザク、色々なキャラとカラむのが楽しみだなぁ〜 (2015年11月18日 18時) (レス) id: bfef2e3bb0 (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 綾女さん» お待たせしてすみません<(_ _)> 漸く更新ができるようになりました！ ライは好きなキャラクターなので、プロットを作る段階から入れようと考えていました。 なので、そう言ってもらえると嬉しいです!(^^)! (2015年8月19日 14時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャドー | 作成日時：2015年6月26日 0時
