＊ ページ7
.
昼休み
ああ、気まずい。
明日、俺はいつもの待ち合わせ場所に居ていいのか。もし行ったとして、どんな顔すればいいのか。
こんなんなら、Aと一緒に学校まで来ればよかった。
なんて自分勝手なんだ。
「……山口」
「へっ、な、何？」
一緒に昼飯を食べていたツッキーの顔を見る。
ツッキーは食べるのをやめて、俺の方を見て言う。
「今日、Aと何かあったでしょ」
「な、なんで？」
「学校来る時、すごい元気無さそうだったから、話聞いた。お前サイテー」
「えっ……！？」
A、全部ツッキーに言ったのか。
まあそうだよな、好きなやつに何でも話したくなるか。
「お前土曜日も途中で帰るし、今日の朝も先に行くし、Aのこと嫌いになったの？」
「ち、違うよ……！そんなわけ、ないじゃないか……」
そんなわけない。小さい頃から、何年間も想っているのに。嫌いになるわけないじゃないか。
ずっとAのことを見てきて、口癖も、苦手なことも、なんでも知ってる。
もし、俺が邪魔なら。それがAの為になるのなら、俺は退くよ。
「ずっと好きだよ、今も。でもAが他の人を好きなら、俺は邪魔しないよ」
「…………は？」
「ん？」
ツッキーは不思議そうに俺の顔を見る。
「何言ってんの、もしかしてAの好きな人知らないの」
「え？」
まさか、自分が好かれてるなんて思わないか。
「少なくとも、Aは僕のこと好きじゃないよ」
ツッキーの思いもよらない発言に、俺は目を見開く。
「Aの好きな人は、俺じゃない」
「じゃあ、他に誰が＿＿」
「…………はぁ、めんどくさ。今から確認してくれば？」
「なんでよ。どうせ俺じゃないのに……」
「＿＿さあ？僕は知らないよ。けどきっと、山口は驚くね」
なんだよその言い方。
そんな言い方、まるで＿＿＿＿＿
「早くしないと昼休み終わるぞー」
ツッキーの言葉を聞いた俺は、すぐにAを探しに行った。
ツッキー、またいいとこどりするなぁ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
榁井(プロフ) - 鈴松しおん@誤字り姫@受験fuc○さん» コメントありがとうございます。ツッキーのイケメン&山口の可愛さが伝わって何よりです笑こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 449d801ec5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松しおん@誤字り姫@受験fuc○(プロフ) - ツッキーの最後の「やっとくっついた」でもうツッキーのイケメン度がァァァァァ((そしてもう山口ィ!もうまじ可愛い…なんなん!?作者様ありがとうございます! (2019年11月20日 16時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：榁井 | 作成日時：2019年11月11日 23時
