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それから少し話をした、その女は変わっていて、ほとんど外に出たことがないのだと言う。さすがの俺でも、女の両親のことを尋ねることは出来なかったが。
その代わり、女は役にもたたないような、些細で何気ない、少しくらいは面白い話をするのだった。ある時は花の名前やその意味を、好きな色や好きな食べ物、俺の目の色と女の目の色は同じようであること。
『ねえ、爆豪さん』
『ミヤコワスレ、お花の名前よ、覚えておいてね』
「………んだそれ」
『時間があるなら自分でお調べになって!』
その女の全てを、俺は聞いたと思っていた。聞けたのだと思っていた。聞けると思っていたのだ。
「お前、名前は」
『………………名前?』
その女は、自分の名前など知らないと言った。
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作者名:冬谷 | 作成日時:2020年6月27日 23時