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愚かな男の話をしよう。
天球遥か高い、真夏の日の話だ。
その日俺は、いつもならしないようなヘマをしてしまって、愚かにも入院宣告をうけてしまったのだ。
プロヒーローにあるまじき失敗、俺は大恥をかいたような気がして、むしろこのまま永久に眠ってしまえればいいとさえ思った。これは一時の気の迷いだったが。
事務所のサイドキックやかつての同級生、関わりの深いプロヒーローがこぞって俺の見舞いにくることに辟易すると共に、俺はあることに気がついた。
隣の病室。そこには女が一人いるらしい。両の親はこの娘に対して冷たいのか、俺が入院している間に、ついぞ見舞いにくることはなかった。
そうして俺は妙な好奇心や興味、それから空回りの正義感や少しの同情をもって隣の病室を訪ねてみた。
その女は、白だった。
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作者名：冬谷 | 作成日時：2020年6月27日 23時
