90 (夢を見た) ページ40
…
｢…、｣
ふ、と目を開けたら、まず目に入ったのはふわふわのちっちゃい小動物の足だった。きゅっと丸まった先がくるまって畳につづいている。この、ふわふわは、
｢…こんちゃん…、｣
｢お目覚めですか主様｣
｢んー……｣
寝起きのがっさがさな声で魂の抜けた返事をする。目を閉じると瞬間もう接着剤でも付けられたみたいに瞼があかなかった。こりゃ、だめだ、起きれない、
｢今何時…？｣
｢ちょうど日が昇った頃に御座います。まだ疲れも取り切れておりませぬ。…ゆっくりお休み下さい｣
｢んん……｣
こんちゃんがあたしの枕元にいててきぱきと返事を返してくれる。正直まだめっちゃ眠い。体重いし、腕とかこの感覚は…筋肉痛だ。日頃の運動不足が昨日の手入れチャレンジに響いちゃったんだ、あー……
｢ねむい…｣
｢わたくしがこの部屋のことは見ております故、安心して下さいませ｣
｢……｣
こんちゃんの足を極細の微かな視界で見つめながら、まどろみに任せて二度目しようとした時に、完全に目を閉じながら、ふと浮かんだ疑問を口にした。
｢こんちゃん、…ちゃんと…………休んだ…？｣
｢…｣
あ、やばい、目の奥吸い込まれる。こんちゃんからの返事が無い。ちゃんと、休めた？布団出したけど…、昨日あんなに頑張って、っていうかずっと頑張ってくれてるから、ちゃんと休めてるか、心配、…
｢はい｣
意識が途切れる寸前聞こえてきた返答は、随分沈黙を置いたあとに聞こえてきて、ああ、…こんちゃんは嘘が下手なんだなあと、ぼやけていく頭の中思った。
…
夢を見た。
夢の中で、あたしは1枚の写真を、手渡された。
そこには、見てるこっちが照れそうになる程、幸せに満ち満ちた何十人の人達と、その真ん中で1番幸せそうに笑うあたしが写っていた。なにこれ、と聞いた。
｢A｣
名前を呼ばれ、顔を上げて、目が合った。
｢すくいぬしは、ここにおる｣
｢…｣
｢ここに、おると思う｣
その人は、微笑んで、あたしの胸の真ん中に優しくその指先を置いた。
｢かみさま｣
あたしがそう言うと、その人はあたしをただじっと見つめ微笑んだまま、｢ここにおる｣と繰り返した。
…
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鳥(プロフ) - 読者様 一つ一つにお返し出来ずすみません！コメントありがとうございます！(三)についてですが、推敲が終わったところから随時公開しております！またお時間空いたり思い出して頂けた時に読んでもらえたら嬉しいです。遅筆ですが楽しんで書いております (7月7日 10時) (
レス) id: 4bf57b87a0 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - 初めまして！一気に見させていただきました。とても面白いです！そして続きが気になります。パスワードおしえていただけないでしょうか？ (6月18日 13時) (レス) @page50 id: 673a00a1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ＠前垢消えた(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！！ (4月28日 13時) (レス) @page50 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
テオ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ここまで読ませていただき本当に面白いと感じました。表現の仕方がとても好きでストーリーも最高です。推敲が終わるのをとても楽しみにしています。無理のない程度で頑張ってください💪 (4月27日 14時) (レス) id: 85b09c3093 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 始めまして！クロです凄く面白くて続きが気になるのでパスワード教えてくださいm(._.)m (2023年3月30日 1時) (レス) @page50 id: 16daf975b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年2月24日 20時
