61 (怒っていた) ページ11
とうかい、…あの流し読みした、資料にあった。
刀解は、刀を処分することだって。あたしはつまり
つまり、三日月様を、処分しろと言われている。
じゃないとあたしが政府のところに行く上で、安全が確保できないと思ってるんだ、そりゃ、
｢…！｣
悔しいけど、そう言われるのは、わかる、
向こうが言ってる事が全然分かんないわけじゃない。
三日月様があたしに斬りかかったのは本当だ。
でもそうじゃない、そうじゃないんだよ、
その気持ちを言葉に出来ないけど、絶対に違う、
(刀解するのは、違うよ、)
ごくり、と唾を飲み込む。
｢、｣
震えながら、勇気を振り絞って、後ろを振り返った。
三日月様を見ることがさっきから怖かった。だって、
だってこんなこと言われて、あたしなら絶対、もう無理だと思う。政府も目の前にいるあたしっていう女のことも、みんなみんな嫌になって、死にたくなる。
三日月様は、
でも、
｢俺は｣
振り返った先にいた三日月様は、変わらず美しく、背すじを伸ばして座っていて、あたしを見つめていた。
｢俺は、そなたの決断なら｣
｢…｣
｢この身が消えても構わんさ｣
そう、静かに言って微笑んだ神様と、
｢代わって下さい！｣｢時間が無いんだ！！｣
｢刀解しない限りゲートを用意出来ないんだよ！｣
｢はやく！｣｢出力準備を！！｣
｢こんのすけ！！指示通りに！！｣｢待って下さい！｣
｢今すぐに決めろ！！｣
飛び込んできた沢山の怒鳴り声に、息を吸い込んだ。
…
｢っあの、｣
あたしが話し出した途端、向こうの喧騒がゆっくり収まっていくのが分かった。もう一度、息を吸って
｢ま…、っまだ、よく分かってないんですけど、でも、｣
どくんどくんと波打つ心臓の音を聞きながら、自分の感情がわかってきた。
これは、…………怒りだ。
あまりに理不尽な現実に対する、怒りだ。
｢ぁ、あの、刀剣男士の人達じゃなくて、ここにいた、審神者、って人が全部悪いんじゃないんですか？｣
誰も一言も話さない。ぷるぷると指先が冷えて震えている自分の手を見てたら声まで震えてきた。
｢もう、っ手遅れだからって、ひ、被害にあってる人達まるごと消して、｣
｢…｣
｢そうしても…良いと、思ってるんですか｣
｢…｣
｢こ、この場所って、れき、歴史を守る所じゃないんですか｣
｢…｣
｢り、リセットして、やり直しとか、｣
息が全て震えた。
｢そんなの、…敵と同じじゃないんですか｣
62 ｢死んでも良いんだな｣→←60 ｢今すぐ刀解しなさい｣
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鳥(プロフ) - 読者様 一つ一つにお返し出来ずすみません！コメントありがとうございます！(三)についてですが、推敲が終わったところから随時公開しております！またお時間空いたり思い出して頂けた時に読んでもらえたら嬉しいです。遅筆ですが楽しんで書いております (7月7日 10時) (
レス) id: 4bf57b87a0 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - 初めまして！一気に見させていただきました。とても面白いです！そして続きが気になります。パスワードおしえていただけないでしょうか？ (6月18日 13時) (レス) @page50 id: 673a00a1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ＠前垢消えた(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！！ (4月28日 13時) (レス) @page50 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
テオ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ここまで読ませていただき本当に面白いと感じました。表現の仕方がとても好きでストーリーも最高です。推敲が終わるのをとても楽しみにしています。無理のない程度で頑張ってください💪 (4月27日 14時) (レス) id: 85b09c3093 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 始めまして！クロです凄く面白くて続きが気になるのでパスワード教えてくださいm(._.)m (2023年3月30日 1時) (レス) @page50 id: 16daf975b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年2月24日 20時
