25 (偉い！あたし本当に偉い！) ページ25
＿＿＿＿…
はあ…、と息を吐いて、目の前に並んだ刀を眺めた。
正直、ここまで手間暇のかかることを願い出たのは、彼らのことを放置しておくなんて、そんな酷いことできないっ！なんて正義感よりかは、いやそんな度胸無いです(だだだって神様とか言ってたし…！)っていう怯みの気持ちが大きかったからだし、こんな大広間とはいえ、ここで何もしない数日間が開幕したんだと考えたら、膝を抱えて政府の連絡をただただ待ち続ける自分を思い浮かべただけで、いや鬱なるわ、とぞっとしたからだった。
つまり、何かやってないと発狂する、って思うぐらいまだまだあたしは動揺してたし、現実を全部受け止められたわけでもなかった。むしろ現実だってまだ信じたくない。いや１回号泣しただけでここまで冷静なあたしは、かなりよくやってる方だと思う。間違いなく。
ドッキリでした〜！(ちょっと頭おかしい規模の〜)って言ってくれるスタッフの出現だって、まだ心の片隅で信じ続けてる。でも、現実逃避すらまともにさせてくれないぐらい、この世界、やばい。
あたしに霊力があるとか、刀の神様を束ねてるとか。いや嘘やん、て思いたかったけど、実際人が刀になるとここの目で見ちゃったし。そういえばその刀の付喪神さま…？に土下座されたり、喋る狐いたり、挙句の果てに自分がその神様たちに殺されそうって…、まじで全てがカオス過ぎて、未だ気絶せず、とにかく一旦現実として処理してるあたしは、ほんとに頑張ってると思う。
｢ねえ、こんのすけさん、この部屋ちょっと何あるか調べていい？｣
｢も、勿論です、決して、部屋の障子は開けぬように｣
｢うんうん｣
あたし、本当に偉い！よくやってるぜマジで！
立ち上がり、壁際にあるものを端からゆっくり探索していく。こんのすけさんの視線を感じたけど、気にせずに物色しながら、あたしはあたしを心で褒め続けた。
じゃないと本当にやってらんないよ！！
酒はねえか酒は！！！！
でも、
(うっげ〜…)
ここに昨日までいた別のあたしとは、まるっきり趣味が合いそうにない、っていうのが部屋を見て回って抱いた感想だった。散らかったゴミ、和室に全然合わない刺すようなピンク色の家具……
｢…、あの、｣
｢！なに？｣
げっそりした顔で部屋を歩き回ってたあたしに、ずっと黙ってたこんのすけさんが、恐々と声をかけてきた。見下ろすと、震えながらあたしを見つめるこんのすけさんがいた。
｢……貴方様は、｣
26 ｢血が、止まったのです、｣→←24 ｢教えてください｣
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ゆり - 面白かったです！！続編も気になります。見てみたいのでパスワード教えて下さい。お願いします(＞人＜;) (2022年5月4日 17時) (
レス) id: a0139c2d82 (このIDを非表示/違反報告)
plus__m(プロフ) - 登場人物達の感情や情景がとても細やかに書かれていて、読んでいるだけなのにその場を身をもって体験しているような気持ちになってとても面白いです！特に緊迫したシーンは息が止まっていることも忘れて読んでました笑。続編の加筆修正終わるのを楽しみにしております！ (2022年4月19日 20時) (レス) @page50 id: 5adad14c72 (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね、この作品！続き、楽しみに待っております！ (2022年3月30日 20時) (レス) @page50 id: ff7e3e1da7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 続編のパスワードってなんですか？気になるんですがパスワードが分からなくて読むことができません！教えてくださいm(*_ _)mm(_ _)m (2022年3月25日 22時) (レス) id: d118b4d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - 鳥さん» 続編おめでとうございます！！！絶対絶対絶対×∞に夜見に行きますので！！！ (2020年2月26日 7時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年1月29日 3時
