水柱からの愛が重すぎて夜しか眠れない【冨岡義勇】

胡蝶しのぶ ページ9

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「うふふ、御免なさい。」

「え？」

「貴方の手助けはできません。」

「‥‥えっ？」


　にこにこと笑顔を絶やさずそういうしのぶに私の頭の中は「？」で埋め尽くされていた。いや、…いやいや待て待て。おかしいだろう、私の知っている親友はそんなことしな……いや、まあ。しなくはないが。


「真面目にしのぶしかいないんだけど…」

「そうですか、お可哀想に」

「……私は悲しい‥ところでしのぶ、血鬼術かかったりしてない？」

「何をおっしゃているのですか？」


　ニコニコと笑顔を絶やさないしのぶだが、心なしか少し疲れているようにも見える。任務帰りだから無理もないよなあ…、と少し罪悪感を感じて申し訳なくなるがそれとこれとは話が別である。


「…でも、しのぶが私を助けないというのには理由があるんだろー？」


＿＿＿＿それには確かな確信があった。

とはいっても、普段はなんやかんや優しい彼女である。そんなしのぶが私を助けないというのは矢張り何かしらの理由があるはずと考えただけの私の憶測だが。



「私はしのぶが話してくれるまで帰らない」

「いいですよ。」

「えっ」

「だって何時ものことじゃないですか」

「あっ…！そこは盲点だった…」


　そういえば私は自宅感覚で此処に寄っているわけで、必ずと言っていいほど蝶屋敷に来ていたんだった。まさか無意識だとは…、そりゃアオイちゃん達とも仲良くなるわ。

などと、考えげんなりしていたら私の頭の中に一つの案が浮かんだ。とっておきの嫌がらせというか、はた迷惑な案が。


「＿＿＿なら。貴方が教えてくれるまで私がずっと此処に住む、ってのは？」


　我ながらずる賢いなあ、と心底思う。というのも、私がここに住めばいいことばかりなのだ。

第一に冨岡からの行為から逃れられることが出来る。先ほどしのぶが冨岡を追い払ったように、冨岡を私から遠けることが出来る。これは私にとって最高の案件利益だ。

　が、それはそれとして気になるものは気になるのだ。

何故あそこまでしのぶが渋る必要があるのか。むしろ私が気になって気になって仕方がない。…まあ、つまるところしのぶがどちらかの言葉をいえば解決することなわけだ。


ふふふ。と思わずほくそ笑む。

　しのぶが導き出した答えとは＿＿＿。




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