有意義な茶会 ページ2
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_____今日も冨岡から呼ばれている。
が、正直なところ行きたくないというのが本音だ。
何故なら冨岡は、ここ最近様子がおかしいのだ。何時も自分の部屋に私を呼んでは、鮭大根が食べたいだなんだと雑用を頼み、そのあとには「夫婦のようだな」と若干顔を赤くして唐突に言うものだからたまったものではない。
きっと冨岡は好きなのだろう。私を。
私は鈍感では無いから、そのくらいのことは大体わかる。それにもし万が一違ったのならそれまでのことだ。
はあ、とため息を吐きつつ隣でお茶を飲んでいるしのぶに、ふと目を向ける。なんで冨岡は私を好きになったんだろう。しのぶの様にお淑やかで可愛らしい女の子はたくさんいるのに。
「…はあ、まじで何なんだ彼奴」
「また冨岡さんのことですか?」
「うわあッ吃驚した。…やっぱりしのぶにはバレちゃってたか」
「バレますよ。Aはわかりやすいですからね」
ふふ、と微笑むしのぶに弱点を突かれたみたいに私はムッとする。
「そんなにわかりやすい?」
「ええ、貴方はある意味鈍いですからね」
「はは、心外だなあ。それにしても行きたくない」
「冨岡さんのところ、ですか」
私が無言で頷くと、しのぶは不思議そうに首を傾げた。
「別に行かなくて良いのでは?」
確かに。今まで素直に部屋に行ってやっていたが、別に強制はされていないし行かなくても良いのかもしれない。が、私が嫌でも奴の部屋に行く理由がある。
「行かなかったら行かなかったで後が怖いんだよね」
「なるほど。あとは?」
「…行ったら三食団子くれる。」
私がそう言うと、しのぶは苦笑した。
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餅蛇(プロフ) - 氷翠さん» わわ!!嬉しみの翁此処にありけり…!(?)そう言ってくださる貴方様が私も大好きです結婚しましょう!() (2019年11月24日 13時) (レス) id: f0afa3b22f (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - あぁ・・・好き・・・(語彙力は消え去りました)大好きです! (2019年11月11日 21時) (レス) id: 3797fcfa5c (このIDを非表示/違反報告)
餅蛇(プロフ) - 桜餅さん» 一応小さく概要欄に注意書きをしていましたが、こちらの表記不足だったかもしれません。申し訳ありませんでした。 (2019年10月29日 17時) (レス) id: f0afa3b22f (このIDを非表示/違反報告)
餅蛇(プロフ) - 桜餅さん» ご指摘有難う御座います。私も一度此の作品を投稿する時、冨岡さんは無口だとか口下手だとか、言葉足らずだとかという点は考え、直そうかなと試みたこともありますがこの小説は冨岡さんが少し可笑しく愛らしい様にしたかったので固定にするつもりです。 (2019年10月29日 17時) (レス) id: f0afa3b22f (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - 冨岡さんは、もっと口下手なんやい! (2019年10月27日 19時) (レス) id: df18c2f2ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餅蛇 | 作成日時:2019年10月20日 19時