課長がお呼びです。 (ページ36)

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行ったら、
店長と二人だけ。

無理矢理キスされそうになって、
命からがら逃げてきた。

本当に消したい記憶。

「狭いし、ボロいけん。
お風呂とトイレが一緒んとこにあるんで？
信じられん。
こんな狭いの、愛媛では考えられん。
課長の部屋は広いけん。
実家に帰ったみたいに、
のびのびする」

つい、訛ってる。

ダメだ。

錦戸課長、笑ってるもん。

「やったら、ここにおり？
広々と寝れるやろ？」

決定してしまったみたい・・・

近くのショッピンモールで、
買い物。

安くて可愛い服を買うのは得意。

「こんな安いもん着てるん？普段も？」

課長が目を丸くしてる。

「一人暮らしやけん。
高いんは無理です」

「そうなん？
俺てっきり・・・」

「てっきり？」

「いや。
お父さんにでも買うてもろてんのかなって」

なんか、ごまかされた気がする。

「俺が買うたるから。
もっとええもん、買い」

優しい。

嘘みたいに優しい。

「いいです。
これで充分だし」

下着はどうしよう。

ここのファストショップで、
全部揃う。

でも、錦戸課長がいるし。

困った。

「課長、あの。
あっち向いといて下さい」

「なんで？」

「いいけん。はよ」

錦戸課長の背中をくるって、
向こうに向ける。