課長がお呼びです。 (ページ29)

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なんか、めっちゃ可愛いねんけど。

もしかしてさ。

みんなが言うてる通り、
ほんまはめっちゃ素直なええ子？

いや。

騙されるな、亮。

朝ごはん、食べ終わって。

食器も洗ってくれた。

「では、私は失礼します」

言うから。

「なんでやねん。
今日、休みやろ。
どっか出掛けよ。
まずは、お前、お風呂入ってないから。
シャワー浴びてこい」

引き止めるようなこと、
言うてもうた・・・

二人でドライブ。

なんなら、楽しい思い始めてる。

人にペース乱されんの嫌いな筈やのにな。

こいつ、奇跡的にどんくさいのに。

なんか、可愛ええなって。

「錦戸課長、どこ行くんですか」

助手席から聞いてくる。

「課長はないやろ。
亮でええで」

「りょ、りょ、りょうなんて。
呼べません」

Aが言うと、寮に聞こえる。

「まあ、ぼちぼちでええわ」

「ぼちぼちって？」

「ぼちぼちはぼちぼちや」

「ぼちぼち・・・」

何回も言うてたら、
わけ分からんなってくるやろ。

お互い、ついぷって吹き出してた。

「どこ行きたい？
Aの好きなとこでええで」

「えっ・・・
いいんですか」

めっちゃ嬉しそう。

なんでこない可愛いねん。

この笑顔で男を何人騙してきてん。