第五十三話 ページ14
退院したのは、それから一週間後だっ
た。病院から出ると、母さんと父さん
がいた。
その中には兄さんもいた。
「・・・お邪魔します。」
「何言ってんの。ただいまでしょ？」
数年前にいた家に帰ってきた。部屋は
あの頃のままだった。
「ご飯までゆっくりしてなさい。」
部屋を見て回った。特に目につくものは
なかった。
扉が開いた。振り返ると兄さんがいた。
「・・・何の用ですか。」
「・・・おめぇのこと、忘れちまってて
・・・・・・わるかった。」
「あぁ。そのことですか・・・。」
寧ろ、家族だから普通の人よりも強化
していた。思い出す方が困難なはずだ。
「・・・それで、何の用ですか。」
まさか、それだけなんてことはない
だろう・・・。
「いや、そんだけだ。」
そう言って兄さんは部屋から出ていった。
俺はその場に座り込んだ。
「なんだよ・・・。」
涙が零れた。戻りたかった日常だった。
戻りたかった暖かさだった。
なのに、なんで・・・。
こんなに苦しいと思ってしまうのだろう
「ご飯よー！」
母さんの声に急いで涙を拭いて母さん達
がいるリビングへと向かった。
先生・・・俺は、どうすれば・・・。
こんな俺でも、何か出来ますか・・・。
『日常』
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村人A(プロフ) - 美弥華さん» 返信遅くなってしまい、すみません。ありがとうございます！ (2019年5月10日 22時) (
レス) id: 25ab0e0509 (このIDを非表示/違反報告)
美弥華 - 物凄く面白くて読み易いですね！続きが凄く気になります！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 1時) (レス) id: 10da490b27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：村人A | 作成日時：2018年10月28日 11時
