結ノ呼吸の結柱

心の変化 ページ36

結闇side

そして、ゆっくり話を再開した。


『ずっとあの村じゃない所に向かって走った。

そしたら、山奥の社に着いたの。


そこには、この刀があって不思議な魅力を感じた。

私はそれを抜いて、社の中を見てまわった。

そこにはお供えがされていて幸い食物は腐ってなかった。

私はしばらくソレを食べて過ごした。

とっても不味かったケド、それしか無かったから……我慢して食べたわ。


そこには多少のお金があった。

それも、貰っちゃった……

それで、街に出て服屋に向かった。


でも、そこには、私が着れるような服は無くてどれもサイズが小さかった。

そしたら、その服屋の人が私のサイズを測って一から作ってくれた。

お礼を言ったら「お金は要らないよ。それより、沢山食べなさい」って言ってくれた。


その時初めて人に好感を持つ事が出来た。


それから、産屋敷さんは鴉を通じて私の様子を見守ってくれていた。


その時人を信じる事が出来た。


鬼から人を守って、お金を少し貰って。

そうやって生活してきたの。




私には、家族と呼べる人が居なくて、強くなくちゃいけなかった。


だから最初、嫌味っぽく言っちゃったの。


気持ちを考える事が出来なくてごめんなさい。


私の話はココまで。

和も、皆も、最後まで聞いてくれてありがとう。』





話が終わった途端、私は誰かに抱きしめられた。

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