交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ30)

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「でも意外でした。
中島さんもピザとかコーラとか、ジャンキーなもの食べるんですね」

「雰囲気大事じゃん」と彼は言う。

「シネマ見ながらピザとコーラとか、
このアメリカンな感じ良くない？」と力説している。

思わず笑ってしまう。

「はい、そうなんだろうなと思ったので、私も炭酸系のジュースを選んでみました」と言うと

「そう！そこでウーロン茶とか言わないところ最高だね」
と謎に褒められた。

変なところで2人で盛り上がっているとインターホンが鳴った。

「あ、来たみたい。思ったより早かったね」

玄関へピザを受け取りに行ってくれる。

「ありがとうございます。お代はいくらですか？」

「え、そんなん払わせるわけないじゃん。
俺が誘ったんだし」

「前回もご馳走になったのに。それに私も…」

「私も、何？」

これはわかって聞いている顔だ。

「…私も会いたいと、思っていましたし…」
ごにょごにょ言うと

「じゃあ中村サンのその気持ちがお代ってことで」

と言いさらっとウィンクした。

なんだかもうかっこいい通り越して完璧すぎて、
けんてぃー！と叫びたくなった。

「ではお言葉に甘えさせてもらいます。
いつもありがとうございます」

彼はいいって、と何でもないことのように言うと、
皿やコップを取りにキッチンへスタスタ行ってしまった。

「さ、ピザも来たことだし映画観賞会始めようか。
食べながら見るなら軽めのやつがいいかな」

などと言いながら、中島さんはタブレットで映画を選んでいる。

「よし、これにしよう。中村サン見たことある？」

タブレットを見せられる。
映画の作品情報が載っていた。

「題名は聞いたことはありますけど、見たことないです」

「おっけー、ならこれ見よう。
ヒューマンドラマでコメディも少し入ってるからピザ食べながら軽く見られるよ」

「そうなんですね。初見なのでわくわくします」

「お、いいね。じゃあ始めるね」

2人で並んでソファに座り、ピザを食べながら映画を見る。

緊張して集中できないかもと思っていたが、いざ映画が始まるとかなり面白く、映画の世界に没頭していた。

また中島さんの座る位置も近すぎることなく常識的な位置で、ドキドキすることがないのもありがたかった。