それはまるで魔法のように【７】 (ページ43)

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＊和解？＊ページ43

鍵谷 side

9「鍵谷、顔真っ赤。熱？」

30「あ、うん。いや」

ちょっと部屋行くわ。と卓に告げて自分の部屋に入る。事故とは言え、Aの裸を見てしまった。ああ、もう。どんな顔してAと顔合わせたらいいのか。

ベッドに腰掛けて、はあ。とため息をつくと、心配した卓がコンコンっと俺の部屋の扉をノックして、鍵谷、大丈夫？と訪ねてくれる。

30「うん、大丈夫。熱ではないから」

9「そう？体温計とか持ってきたんやけど、使わん？」

30「大丈夫」

9「そっか。じゃあリビング戻るから」

心配かけてごめんね？と心の中で思いながら、ベッドに横たわる。しばらくすると、コンコンと控え目なノックが聞こえてきて、はい。と答えると、Aが顔を覗かせる。

『陽平さん？あのー、さっきのなんですけど…』

30「う、うん」

カチャンと後ろで手、俺の部屋の扉を閉めながら、私がちゃんと確認しないで浴室から出たから……。ごめんなさい。と謝られる。

30「謝るのは俺の方。声もかけずに脱衣所に入っちゃったから」

『あの、確認なんですけど…』

見ましたよね？と言われたから、うん。と頷くと、ああ、もうお嫁に行けない。と項垂れる。大丈夫。卓は貰ってくれるから。と冗談を言うと、そう言うことじゃないんです！とプリプリ怒り始める。

30「お風呂上がってすぐに俺の部屋に来たのは良いけど、髪の毛乾かさないと冬なんだから風邪引くよ？」

『誰のせいで……』

30「はいはい、ごめんね。でもほら、減るもんじゃないしさ」

『陽平さんー！そう言うことじゃないんです！』

30「俺、Aの裸、見て興奮しないから大丈夫」

『それは女としてショックです』

ほら、髪の毛乾かしに行こう。と言って、手術した直後みたいに抱っこしてリビングにAを連れて行くと、卓がびっくりしたように、どうしたと？と言ってくる。

30「俺、洗濯物干さなきゃならないから、卓に乾かして貰って」

『子供じゃないんですから自分で乾かせます』

9「たまには乾かしてあげるちゃけん、ドライヤー持っておいで」

『ええー、卓さんまで』

とりあえず、気まずい感じにならなくて良かった。と思いながら、洗い終わった洗濯物をリビングの隣の部屋に設置した部屋干し用の物干し竿に、洗濯物を干していく。

『卓さん、前に乾かしてくれた時より上手くなりました？』

9「え？ほんま？よっしゃ」

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