#キョウダイ+ケンカ ページ18
ぼそり、と呟いたに近い音量だったがそれは確実に波紋を広げた。
「....は?何それ、」
乱が喋る。
「...せっかく主がボク達のために作ってくれたっていうのに何その態度、信じらんないんだけど、厚。」
「事実を言ったまでだ。
逆にお前の方が信じらんねえよ、あんなに虐げられてきた人間の飯を食ってるんだぜ?
___っ、お前はッ、人間が憎くねぇのかよ!!
兄弟だって、俺とお前と平野と前田以外、殆ど奴ら俺たちの目の前で折られたんだぞ?!!
俺はッおれはっ___!」
「いい加減にしてよ!!!ボクだって人間なんて嫌いだよ!大っ嫌いだよ!!
でも、今度の主は今までの人とは違うって思ったの!!そう感じたの!!!
なんでわかってくんないの?!
主はぶつかった時ボクの話を最後まで聞いてくれた!前の主だったら何も聞かずにボクのこと殴ってた!
主はご飯を作ってくれた!
前の主だったら絶対に作ってくれなかった!
わかるでしょ?!
主はあんなろくでなしなんかとは絶対違う!」
「それが若しかしたら罠かもしんないだろ!!
「なんでわかってくれないの」なんてこっちのセリフだよ!!
おれは、おれはっ....もう誰も無くしたくないから、いなくなって欲しくないから...っ、心配して言ってんだろ?!
乱もなんでわかってくんないんだよ!!!!」
「はあ?!!心配とかそういうのじゃなくてさぁっ!!」
「...っ、ふぇ」
目の前の白熱する言い合いに気分が悪くなったのか、なんなのか白いマントを付けている明るい髪色の方のおかっぱの子が声を上げて泣き出した。
ただ、その声も前の主に言いつけられていたのか元からなのか分からないが異様に小さい。
元々俯いていたのでこぼれる涙も重力に従って下に落ちていき、膝を濡らすだけで言い争っている2人は気付かない。
そっと泣いている子の隣の子がその子の手を握った。
直後にじわじわとその子の瞳も濡れていく。
恐らくこの2人も人間を嫌っている。
そんな2人の元に人間である自分が言っても良いのか。
ゆらゆら揺れる心を決め、俺は泣いている子の背中を優しく撫でた。
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きな粉の介 - お…終わり…だと…!?いや、終わりじゃないですよね!?更新待ってますよ!? (2023年3月30日 14時) (レス) @page24 id: 6c6ea7b35a (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 続きが気になる…続編待ってます! (2020年4月19日 10時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
ねっちゅう(プロフ) - え、終わり?!終わっちゃうんですか?!!え、めっちゃ続きが気になるぅ…… (2019年12月17日 17時) (レス) id: 9a7f6c9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 中途半端ナ終わり方をシテいますネ。続きが気になってシマいます。 (2019年8月1日 21時) (レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - え、なんで終わりになってるんですか!?続きが気になります… (2019年3月15日 16時) (レス) id: aa7d8d537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ黒豆 | 作成日時:2018年3月19日 23時