I LOVE...【恋つづ/天堂浬】

43 すれ違い ページ43

「じゃあ、Aのボディーガードは俺がやるよ」

「え？」



話が終わったと思ったら、佐倉さんの横にいる来生が突然そんなことを言い出した。
驚いて俯かせていた顔を上げると、来生が優しい表情で私を見ていた。



「いや、佐倉ちゃんのストーカーがこの家にも出入りしているんだったらさ、一応Aのボディーガードもしといた方が安全かなーって」

「そうだね！Aちゃんそうしてもらいなよ！」

「いや、でも…」



来生の提案に流子さんも乗っかてきたが、正直私にはあまり必要ないような気もするし、浬の前でそれを承諾するのも気まずかった。
返答に困って視線だけ浬に向けると、何故かあからさまに目を逸らされた。





え、何それ…、


俺には関係ないって事ですか…？





てっきり、何かしら反応してくれると思っていたのに、無関心な態度にふつふつと怒りが込み上げた。



「…分かった。来生、宜しくお願いします」



来生にそうお願いしつつも、もう一度浬の方をチラリと見てみたが、何も気にしていない様子でコーヒーを飲んでいた。



もういいし！浬には関係のない事だもんね！



こうして、私は明日から来生と一緒に出勤することになった。

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