11 思ってないから ページ11
「…A？」
「！！」
名前を呼ばれて下に下げていた視界を上に向けると、
扉の向こうから浬だけが出てきていた。
私を見て目を丸くさせると、そっと手を頬に添えると目元辺りを指の腹で拭った。
「なんで、泣いてるんだ？」
「…え？」
浬そう言われて、そこで初めて気づいた。
自分が泣いていることに…。
「いや、これは、杏里ちゃんが助かって良かったから安心して…」
「ちょっと来い」
「浬…？」
私の手を掴むと早歩きで執務室へと連れて行き、誰も入って来られないようにいつも開けっ放しのドアを閉めて中から鍵を掛けた。
また二人っきりの空間に何を離していいかもわからず下を向いて言葉に詰まっていると、繋がれてたままの手を引っ張られて浬に抱き寄せられた。
「え、どうしたの…？」
「…お前は俺の事、友達だと思ってても」
背中に回されていた手が緩くなり、片手で私の頬に手を添えて自分の方へと顔を向かせた。
「俺はお前を友達だとは思ってないから」
「…浬？何言って…、っ！？」
私の言葉を塞ぐ形で、浬の口で私の口は塞がれた。
目の前には目蓋を閉じて私にキスをする浬の顔面で視界がいっぱいになった。
「…っ、待って浬！離し…んんっ」
この行為を辞めさせようと浬の身体を引き離そうとするが、男の力には敵わなくって、少しだけ離れた唇もまた違う角度で塞がれてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1497人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおい - これって、自分と、天堂浬がくっつくんですか？教えてください！お願いします！ (2021年6月6日 15時) (
レス) id: 585e7a9e81 (このIDを非表示/違反報告)
mioパンマン - めっちゃ面白くていいと思います (2020年4月9日 14時) (レス) id: a4269e138c (このIDを非表示/違反報告)
コモリさん(プロフ) - 気になってソワソワします（；＿；） (2020年2月12日 1時) (レス) id: 54db963109 (このIDを非表示/違反報告)
みー子 - すごく面白くて毎回更新楽しみにしてます！大変だと思いますが体に気をつけてムリのないペースでいいのでぜひ続けてください！ (2020年2月11日 23時) (レス) id: 0fbbcda6a6 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しちゃいました！更新大変だと思いますが、楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: 2af277127c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：如月香葉 | 作成日時：2020年1月31日 0時
