． ページ18
その生活が3ヶ月続いた頃には、
頭はぼんやりし、涙も出なくなった。
そこまで話して彼女はやっと顔を上げる。
…正確には、蘭が彼女の涙を拭ったのに反応して。
蘭 「辛かったね。
アイツのことは何か知ってる？何か聞いたりとか。」
『年齢と職業、趣味はクルージングで…。
お酒を飲むと、
何かブツブツ言ってました。
ぼんてん？が全部悪い、
かの？さの？を許さないとか、何とか…。
あとはあまり…。会話がなくて…
…あ。帰ってくると、よく見ている本がありました。』
蘭 「…本？
それ、何て本か分かる？」
『オズの魔法使いです。絵本なんて似合わないなぁって思って…。』
それを聞いた三途が、そばに控えていた部下に、顎をくいっと上げてみせる。
部下は頷いて去って行った。
『あの、助けて頂いてありがとうございます。
でも…、本当に申し訳ないんですが、そういう事情もあって、戻らないと…。』
蘭 「戻らなくていいんだよ？
あの男は…、捕まったんだ。」
蘭は、��何に��とは言わなかった。
『え？警察に？どうしよう、母は…。』
そこに部下から連絡が入る。
彼女の母親はもう…。
それを隠して蘭は続ける。
蘭 「美人ちゃんの為に、
おにーさんが一肌脱いでやるかー。
お母さんのことは一旦任せて。
悪いようにはしないから、なっ？
まずAちゃんは、自分の身体のことを考える。」
『そんな…っ、見ず知らずの方に
そこまでお世話になるわけには…。』
蘭 「俺、灰谷蘭。蘭ちゃんって呼びな？
これでもう、見ず知らず、じゃないだろ？」
『蘭さん…。』
蘭 「蘭ちゃんで良いのに…。まっ、いっか。
甘いモンは好き？」
『…はい。』
蘭 「よーし、今度来るときは、
蘭ちゃんオススメのスイーツ持ってきてやるから、いい子で待ってろ？
あと3日は安静にしろって、医者が言ってたからな？」
『はい…。
蘭さん、本当にありがとうございます…。』
蘭 「ん。じゃあ、またな？Aちゃん。」
1人になったAは、辺りを見回す。
そこは殺風景な部屋で、窓すらない。
それなのに、
何故かあの部屋よりも息がしやすかった。
一方部屋を出た蘭。
春 「…今、部下がその本見つけたとよ。
全ての本をアジトに運んでる。」
蘭 「行くか。」
三途と2人、アジトへ戻る。
助け出した日の弟の様子を思い出し、
まぁ、気持ちは分かるな…、なんて考えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 488人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» がんばります！ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (
レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月＿siduki??＿(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな？疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月＿siduki??＿(プロフ) - いや…すきで読んでるんで！！！キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、？ (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです！ (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりん。
| 作成日時：2022年11月5日 18時
