九井さん、今日はどうしましたか？ ２

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今まで女と言えば、
ブランドのバックやアクセサリーなどを欲しがる生き物だと思っていた。




どこが違うのか分からないようなものを謎に欲しがるし、
新作や期間限定品が出れば、また欲しがる。




俺は職業上、女と接する機会が少なくはない。
取引先の女しかり、
管轄の店の女しかり。



強請られれば、断るのも面倒で。
別に金には困っていないので、
適当に買い与えてみると、
金を使えば使うほど喜ぶ。



そして俺が金を使うのを、
自分は特別だからだと勘違いするバカも多かった。



女はそういうモンだと思っていた。



だから今まで、
そんな面倒臭いモンと関わりたくなくて、
特定の女は作らなかった。







しかし彼女はまったく違っていた。


どこまでも謙虚で、控え目で、
自分のことよりも相手のことを大切に考えていて、
そして贅沢を味合わせても、俺を金ヅルとは見ていない。




さっきも雑貨の会計をしようとしたら、
だめです、私が払いますと言ってきた。


彼女の隙を見て俺が会計してしまうので、
途中から諦めていたが。




そして極め付けの計量カップ。



この俺に、
金を作る天才と言われたこの俺に、
ワンコインで釣りが来るものを
申し訳なさそうにねだってきたのは…




九 「…お前だけだよ。」





「え？ココくん、何か言いましたか？」





九 「いーや。何でもねェ。
さ、着いたぞ。」

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