Dr.じゃんぷ×Pt.じゃんぷ そのご。

Dr. Kota × Pt. Ryosuke * ページ9

side:Kota


宏太「んー……、」


パソコンの画面と睨めっこし始めて一時間程。


この間の検査結果をチェックしてるんだけど、さすがに9人分となると時間も掛かるわけで。


本当は伊野尾か光に手伝ってもらう予定だったんだけど…生憎2人とも予定が入っちゃって、一人で黙々と作業を進める。


半分くらい見終わって、そろそろ休憩しようかなー…と席を立とうとした時。


宏太「……ん？」


気になったのは涼介の血液検査の結果。


赤血球数とヘモグロビン値が低くて、基準値から大きくズレている。


貧血だよなぁ…この数値の悪さじゃ既に症状は出てたはずだけど。さては隠してたな…苦笑


今度会った時にでもよく見ておこう、と思ったんだけど、その必要は無かった。


涼介「……ね、あのさ…。」


宏太「うん？」


次の日。全員での撮影の為楽屋のソファで寛いでいると、隣にちょこんと座って何やらもごもごと話し始めた涼介。


珍しく俺が来た時にはまだ涼介しか来てなくて、静まり返っていた部屋に2人の声が響く。


涼介「…や、やっぱ何でもない…。」


宏太「いやいや、何かあるから話しかけたんでしょ？笑 …いいよ、ゆっくりで。」


涼介「……、」


何を言いたいのかは大体分かってるし、自分から話してくれるとは思ってなかったから少しびっくりしたけどそれは大きな進歩で。


暫く待っていると、ぽつぽつと喋り始めた。


涼介「あの…少し前から動くと息上がってきて…頭痛かったりくらくらしたりするの…、」


宏太「そっか、他に症状あったりする？」


涼介「立ち上がる時とかフラついたり…本当はもっと早く言うつもりだったんだけど、その…」


宏太「…笑、分かってるよ。言おうとしてくれてたんだもんな？でもほら、今日ちゃんとこうして教えてくれたじゃん。」


今にも泣きそうな顔の涼介の頭をわしゃわしゃと撫でると、安心したのかぽろっと涙が溢れた。


宏太「泣かないの、大丈夫だから。一緒に治そ、な？」


涼介「っ、うん…泣」


宏太「ほら、みんな来ちゃうよ。涙拭いときな、笑」


さて…涼介が正直に話してくれたところでこれから診察も治療もしていかないといけない。


まずは再検査かな…当たり前だけど採血は必須だし、嫌がられるだろうなぁ…苦笑

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