飛んで火に入る夏の虫【Daiki】

絶賛船酔い中 ページ38

．









『ねぇ、智洋さんはどこ？』









大毅「あー、絶賛船酔い中やから安心して
それに、さっきメールしたから大丈夫や。



って智洋だけ名前呼び！俺もして！！」









メール？

いつの間に？









『それは、余計に傍にいた方がいんじゃ』







大毅「なぁ、そんな事よりAの話聞かせてや」









そんな事って相方だろ、心配してやれよ。
私だって望が船酔いしたら心配で可愛いお姉ちゃん呼んであげるのに。









．









『私の？なにを？』









大毅「んー、なんでも！」









『じゃぁ、先に私の質問に答えて』









大毅「お！なになに！？」









『今回の私達の依頼人を殺す理由は？』








大毅「……そんなの簡単やん。







殺すべき理由があるから」









『殺すべき理由？』








．









大毅「……あの男は大量の金持っとるくせにケチって子会社の従業員達にずさんな工事をさせて何個も幼稚園や保育園を作って金儲けをした。





その結果、数ヶ月後建てた建物の一つが一瞬にして壊れてその中にいた子供数人が死んだ。」









'' 子どもの関わる仕事 ''









彼らが殺す理由はこれだけと聞いたことを思い出した。
男が言うには、その後会見を開き表向きには涙ながら謝っていたがそれは全部偽りで本当の姿は違ったらしい。









．









大毅「あの男は笑ってたんや。
ダメな大人が生まれんで良かったなぁ、
逆に感謝して欲しいってな」









『……』









大毅「未来ある子供殺してなにが感謝や
そんな腐った人間、俺の手で殺す









……って考えとったんやけど
Aと約束したから今回は我慢するわ(笑)





俺はちゃんと答えたで！！次はAの番！」









『何が聞きたいのか具体的に言ってよ』









まだ信用しているわけではないが聞いたことに素直に答えてくれたからこちらも答えるしかない。
それに男の言っていることもわかるから、なんならそんな男殺すべきと私は思うと言ってしまいそうになるから早く話題を変えたかったのもある。









．








大毅「1番気になること聞くな








……なんで殺し屋になったん？」

顔に出るタイプ→←大丈夫だから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す