第82話 来たれ厄介者 ページ36
．
「……セレストくーん？」
「申し訳ございませんA様！！」
「あっ、責めてるんじゃないよ！聞きたいのは、どうして彼が入って来られたのかって事よ！」
「あの方はどうやら例外のようで……」
「ええ……そうなの…？」
「…………いったい何の話をしてるんだい？」
ルーピンを放ったらかしにしたまま会話を進める私たちに痺れを切らして、彼はこちらに近寄りながら声をかけた。
「いや別に、取り留めもない話だよ」
「本当に…？……まあいいや、僕にもAと同じものを出してくれるかい？」
「もちろんでございます！」
“例外” とは、セレストがかけた魔法の話になる。その魔法は私、A・Aに対し心の中に少しでも悪意を持ったものがあのドアを開けることができなくなるというものだ。
人と会いたくないほど疲れ切った私への配慮らしい。初めは、この魔法はハウスエルフ以外の全てをはじいてしまうというものだったが、セブルス君やリリーならここに来ても構わないので変えてもらったのだ。
つまり、例外とはセブルス君たちのように、私に悪意がない人たちのことを指す。
……ルーピンが通ることができたのは想定外だった。
彼との奇妙な邂逅は、私の中で「ルーピン貧血事件」という名で残されている。
あの事件から彼は私を見かければ挨拶をしてくるようになった。
事件の翌日には大広間に入る前に背後から声をかけられたっけ…あの時のポッター達の顔は傑作だったが後が恐ろしいので、ルーピンには入念に無闇矢鱈と声をかけるなと言い聞かせた。
すると彼は人目が付かなければいいのでは？と解釈したようで、今度は上手く人通りがない時を見つけて話しかけてくるのだから、やはりグリフィンドールは頑固ものばかりだという認識を強めた。現在では害もないし、更なる制限をかければ今度は何をしでかすかわからないので諦めている。
今は周囲の人間も落ち着いたようで、ルーピンのあの珍行動も記憶に古いものとなっているのが唯一の救いである。
「Aはミルクティーよく飲んでるよね、好きなの？」
「待った、貴方に名前呼びを許した覚えはないけど？」
「そうだね、僕が勝手に呼んでいるから」
「やめてよ…親しいと思われるじゃない」
「僕は構わないよ。だいたい君さ、自分の苗字嫌いだろう？」
「…ノーコメント」
．
第83話 隠れ蓑の共有→←第81話 後日、世界は微小に拡大した
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
