第74話 真意の探り合いもなし ページ28
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ルーピンは暴れる体力すら残っていないらしく、大人しく私に身を任せていた。私はそのまま医務室へと向かう。
「あのさ、A」
「………何？」
不意に声をあげたルーピンに、渋々ながらも反応をする。
「その、人に見られたくないならこの突き当たりを左に曲がって」
ルーピンは言いにくそうにしながらもそう言った。
「なんで？そっちは中庭へ繋がる廊下でしょ。医務室はない」
「そこの壁の模様を叩けば医務室の近くまで行けるんだ」
「なんでそんな事知ってる……？」
思わず足を止めてルーピンを見やる。口をもごもごと動かして言うか言うまいか悩むルーピンに、そこまで口に出しておいて何を悩むことがあるのかとせっついて話させた。
「ジェームズ達とホグワーツの中を探検してたら、色々みんなが見つけるんだ。で、これはその抜け道の一つ」
「探検？放課後に…？」
「いや、それだと人目が付くから……あっ」
「へぇ、お前ら、夜中に寮を抜け出してるんだ。しかもかなり頻繁に」
「頼むからこの事はマクゴナガルにだけは…！！」
うーん、と悩むそぶりを見せれば、分かりやすくあたふたするルーピンに、冗談だよと言う。今度はホッと息を吐く彼を尻目に、私はルーピンの得体の知れなさに、先程しまい込んだ警戒心を再びとり出していた。
いくら助けてもらっていると言えども、ここまで馬鹿正直に聞かれたことをそのまま話す奴がいるのか。スリザリン相手に？下手に身内の話をして利用されるとは思わないのか。
急に黙った私の心中を知ってか知らずか、ルーピンはまたも話を始めた。
「君さ、君が居ない時のジェームズ達を知らないから、悪印象を持ってるのは仕方ないと思うけど……グリフィンドールは…そんなに悪い奴らじゃないよ」
「……」
私は返事をしなかった。
−−−−
「まあ！貴方が彼を！？」
「あの、それはどういう…？」
「あらごめんなさい。気を悪くしないで頂戴な、なんせあんまり驚いたものだから。さ、ルーピンをこちらのベッドへ」
マダムの反応に腑に落ちない所はあるものの、ルーピンをベッドに乗せた。倒れてからしばらく経っているが、ルーピンの容態は悪くなる一方である。
土気色に青白さを混じらせたような顔色をしていて、体もやや冷たかった。
先程まで会話をしていた相手がここまで弱っているのを突きつけられるのは、少し心が痛んだ。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
