第72話 我の足元に何を見た ページ26
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「ッ君は…！ジェームズの！」
男子生徒は私を見て酷く狼狽した。はて、どこかで会ったことがあっただろうか。
というか、今こいつは何と言った…？
「何で私を見てポッターの名前が出るんだよ…！」
「それは…ッ！……ええと…ごめん。君がジェームズのこと嫌ってるの知ってるのに…」
「え？それ、グリフィンドールの奴らはみんな知ってるの？」
「そうだけど、僕の場合それじゃないっていうか…」
歯切れが悪い会話にうんざりしながらも、私は男子生徒が誰なのか思い出そうとしていた。
ふと、目線を男子生徒の髪に向けた。
赤味の茶髪で、鳶に似た色をしている。
…………ああ、思い出した。
「腰巾ちゃ、…いや、貴方たしか悪戯仕掛け人の１人だよね？」
「…そ、うだけど……僕のこと覚えてたの？」
男子生徒が驚いた様子で立ち上がった。近くにあった机を支えに立つのを見て、相手の体調不良が窺える。力がうまく入らないのだろうか。
「覚えてない方が変でしょ。貴方たちが私にいつも何してるのか考えてみな」
覚えていたのかという台詞に呆れた声で返事をする。毎日飽きもせずに寄ってくるのはそっちじゃないか。たとえお前が積極的に関わろうとしていなくても、あの２人の後ろにいつもいるのでは変わりない。
「…ジェームズやシリウスが君に何をしているのかも、知ってる。僕はずっと後ろで見ていたんだから。でも僕は_____ッ」
「え…ちょ、おい！」
ゆらりと男子生徒の体が前に傾き倒れていくのを見て、反射的に手が前に出た。
途端に手に体重がかかり、流石に腕一本では私まで倒れる羽目になるので、それを避けるべく男子生徒を床に下ろす。もう埃で汚れるのは我慢してもらおう。
「ご、ごめ……」
男子生徒はうわ言のように呟いた。少し呂律が乱れている。
顔を覗き込めば、廊下ですれ違った時より顔色が悪化している。しかし、頬に少し赤みがさしている。額に手をやれば、私の手の熱をはるかに超えた熱を出していた。
…どうしよう。放っておいては……駄目だろうな
しかし…
迷う私の頭の中で、開口一番に私に向けた台詞がリフレインする。
___ッ君は…！ジェームズの！
ピクリ、と無意識に眉が寄るのを感じた。
この腰巾着の中で、私はポッターと関連付けて覚えられているのか。あのポッターとか。
それに苛立った私は、自分でも信じられない行動に出た。
浮遊呪文で彼を浮かし、自分の背に乗せたのだ。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
