第63話 知識欲は溢れ得るか ページ17
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「ブラック家…」
「なんでもいいんだ。どんな当たり障りのない話でも。彼の事を…ブラックのことを教えてほしい」
11年間、決して短くない時間だ。
あの家に生まれて私はその間ずっと両親や親戚など周りの大人から、私が純血主義を掲げるようにと刷り込まれていた。
そして、悲しいかなあの家で生活するにはそうある必要があった。
もはや呪いだ。
その重圧の執念深さを知っているからこそ、私はブラックがなぜ純血主義を嫌悪し、また反発する様になったのか分からない。
私は、生まれた頃から私という人格を保持していたから例外としても、彼はただの子供なのだ。
何故だろうと思っても、私はブラックがどんな人格なのかよく知らなかったのを思い出した。
…大問題だ。私とブラックとの現在を考えれば妥当だとしてもである。しかし、このままではあまりにも判断材料に欠け過ぎている。
私が知ろうとしない限り、この問題は絶対に解決できない。根拠もないのにそんな直感があった。
「…彼は、あれでいて意外と優しくて、考え無しなところもあるけど、根は悪い人じゃないわ」
「へえ、優しいんだ…」
…あれでいて、か。
リリーもブラックが周りからどう思われているのか知ってるのか。
……ならば、私が周りからどう見られているのかも知っているのかな……
「ええ。でも…スリザリンには……そうでもないけど」
「うん、よく知ってる」
「私、ブラックがどうしてスリザリンが嫌いなのか分からないの。彼は決して悪い人じゃない……でもまるっきり良い人って程でもないの…」
リリーは心底困った顔をしていた。
…俯かないで、リリー。
私は勘付いていた。
この話は、とても難しい。私たち２人の主観では、どうやら解決できそうにもない。解決の糸口が見出せない。
それでも、リリーから見た彼の姿は、私とは違っていた。今はそれで十分だろう。
私が彼を勘違いしているのかもしれない、と分かっただけでも素晴らしい進歩だと思えた。
「いきなり変なことを聞いてごめんね。リリーの思ったことが知りたかっただけで、困らせたかったわけじゃないの。だからリリー、悩まないで」
「…ええ」
……私は、リリーの心理状態よりも自分の興味を優先してしまった。リリーはまだ11歳の幼気な子供なのだ。決して蔑ろにしていいものではない。
「…A、私は……」
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
