第59話 ノイズ音に耳を塞げ ページ13
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休暇を抜けて、やっと学校が始まろうとしていた。いつもの様に父親がついて来て、キング・クロス駅の人混みの中にいつの間にか消えた。
あの人、友人と会うためだけに駅について来ている気がしてならない。実際そうなのだろうけれど。
さっさと列車に乗車し、先に来ているであろうリリーを探せば、彼女もまた私を探していたのですぐに合流ができた。リリーが席を取ってくれていたお陰で、今回は席には困らなかった。
リリーはグリフィンドールの女生徒に用事があると言って、数分ばかり席を外した。列車が動き始めるまでには戻るというので、おそらくあと数分もしないうちに帰ってくるだろう。
暇になってしまった私は、持参していた本を読むことにした。
途端に静かになるコンパートメント内が、私には根拠もないのに不変的なもののように感じた。
外からの雑音が良い背景音楽となり、心地よい雰囲気を醸し出している。
静かだ。
本の古紙をめくるたびに掠れる音が、いつもより大きく聞こえる。
自分の呼吸音さえ今は疎わしい。僅かに入る外からの光が今は眩しい。
何にも邪魔をされない空間。まるで今がずっと続くような、永遠のような気がしていた。
「やあリリー！ここに君がいると……ってお前かよ」
「………ハァ」
……その空間とやらには、呆気なく邪魔が入った。
邪魔の正体は言わずもがなジェームズ・ポッター。
学校の外でこの顔を見る羽目になるなんて。なんでこうもこいつは邪魔ばかりするのだろう。
私のテンションもモチベーションも全て下げたうえでの登場とは、派手好きなポッターらしいよ。最悪だ。
「おいおいA、ため息を挨拶代わりに使うなんて会うなりご挨拶だね。きっと君とスニベルスくらいなもんだ。君はほんっとうに愛想に欠けるね。少しはリリーのキュートな表情を見習ったらどうだい？」
「彼をスニベルスと呼ぶなと何回言わせれば気がす済むの？生憎だけれど貴方に振りまく愛想は持ち合わせてないの。貴方こそ相変わらずのクルクルパーね」
そして始まる嫌味合戦。もはや条件反射のようなものだ。
お互いにリリーを待っているもの同士で仲良く談笑でもしていれば良いのではって？
ご冗談を。少なくともポッターが歩み寄らないうちは絶対に嫌だ。
大人気ないという気持ちも若干あるのだが、ポッターの口から出る言葉を聞いて、この考えは一瞬で拭い去られた。
この嫌みの激しさはすでに子供の域を超えている。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
