Dream10. ページ10
「あ〜やっと終わった」
時刻は22:00過ぎ。
金曜日は週末で業務が集中するから毎週帰りが遅くなる。
今まではダッシュで帰って景瑚の夕飯の準備をしてたけれどもうその必要がない。
「忙しそうだけどちゃんとご飯とか食べれてるのかな、」
最近前にも増してよく景瑚たちのグループをテレビで見る機会が増えた。
その度に梨紗がチャンネルを変えてくれるから申し訳なくなる。
チラッと視界に入るぐらいだけど景瑚がこの数日でよく痩せているのが分かった。
「…まぁ新しい彼女がご飯なんか簡単に作ってくれるよね、どうせ私のご飯は美味しくないですよ、」
暗くなったオフィスに虚しい独り言が響いた。
デスクを片付けて外へ出ると冷たい風が頬を掠める。
はやく電車に乗って帰ろうと歩き始めた時だった。
「…A」
よく聞きなれた声。最後に名前を呼ばれたのはいつだっけ。
合わせる顔が無い私は小走りでその場を離れようとした。
「待って！！！」
後ろから手首を掴まれる。
「…なんでここにいるの」
「金曜日はA仕事遅いっていうの思い出して会えるかなと思って、」
顔を見て話せない私はひたすら俯いて喋る。
「私はもう会いたくなかった」
未練タラタラのくせにこういうことだけ口からスラスラと出てくる。
「俺はAがいないとダメなんだよ、Aしか好きじゃない信じて」
信じるって何を？結局はほかの女の子に手を出しといて都合が悪くなったから私に戻ってきたってこと？
気持ち悪くて吐きそうだ。
「…やめて」
考えすぎたら頭が痛くなってきた。景瑚の声が頭に響く。
「お願い、話を聞いて欲しい」
「私は話なんてしたくない！！…お願い、離して」
普段大声をあげない私にびっくりしたのか一瞬景瑚の手が離れる。その隙に走って駅まで逃げた。
追ってくることの無い気配にほっとしつつ悲しんでる自分に呆れる。
涙でぐちゃぐちゃになったメイクを見て周りの人はびっくりしただろう。
家に帰ると梨紗が心配しながら「ねえ顔色酷いけどどうしたの、何があった？？」と声をかけてくれたけれど景瑚に会ったことは言わなかった。
あからさまに泣きましたみたいな顔をして帰ってきたから気づいてると思うけど。
荷物を置いてすぐお風呂場に直行する。
「…酷い顔」
鏡に映ったボロボロの自分を見るとさっきまで景瑚の隣にいた自分が恥ずかしくなった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
思いっきり景瑚を悪者にしてますが作者は景瑚jamです！笑
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^^(プロフ) - このお話ものすごく好きです！！！この流れで鶴房くんとくっついて欲しいなと勝手に私は思ってます！！笑 (2022年2月11日 6時) (
レス) @page14 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
だんご - ストーリーが好きです！早く続きが気になります！ (2022年1月14日 17時) (レス) id: ff76bfb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あ - さっきこのお話に出会ってどハマりしちゃって気づいたら最後まで読んでました！！お時間あるときに更新待ってます！！続き楽しみにしてます！ (2022年1月13日 14時) (レス) @page14 id: 1112ea86af (このIDを非表示/違反報告)
carry(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしてました！景瑚推しなので、最後はやっぱり景瑚とくっついてほしいな。 (2022年1月13日 11時) (レス) @page14 id: def8c9f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - けぇごぉ〜TT頑張れー！ (2021年9月24日 23時) (レス) @page9 id: a3eea1a2d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luna | 作成日時：2021年9月21日 10時
