知らなくていいこと 《佐藤景瑚》

Dream11. ページ11

「頭痛い…」

昨日泣き疲れて帰ってきたからか、頭痛が酷くて目が覚めた。

昨日シャワーを浴びてすぐに寝たから何も口にしてない。
喉がカラカラで水を取りに行こうとしたら梨紗が慌てて準備をしていた。

「あっA、今日仕事入っちゃったから家空けるね！！休日出勤とかありえないんだけど無理やだ行きたくない」
そう言いながらも元気よく行ってきます！！と家を出ていった梨紗
「ほんとカップル2人して元気なとこ似てるな、、笑」


朝のニュースを見ながらゆっくりしていると携帯の通知音が鳴る。
「あ、梨紗から…ん？」
昨日ぶりに携帯を見ると大量の不在着信とメッセージの数。

景瑚不在着信
景瑚A
景瑚話を聞いて欲しい
景瑚お願い
景瑚もう家ついた??
景瑚連絡待ってる
景瑚不在着信
景瑚ねえ
景瑚電話出て
景瑚不在着信

他にもズラっと送られて来てたメッセージ。
連絡先を消す勇気がなかったのと、どうせ連絡なんて来ないだろうと思いそのままにしていた。

まだ気持ちの整理がついてない私はそのまま画面を閉じた。

「諦め悪いなぁ…景瑚も、私も、」

いざ決心して連絡先を消そうと思っても手が震えてボタンを押すだけなのにそれが出来ない。

“Go to the TOP!JO1です!”

「…まただ」
テレビをつけてると朝のニュース番組でパフォーマンスしているJO1が目に入る。

踊って歌っている景瑚を見て実感した。
所詮私はただの一般人、彼は歓声を浴びてファンに笑顔を与えるアイドル。

彼の世界は色んなもので溢れているだろうに、その中から私を選んで貰っただけ奇跡だったのかもしれない。

昨日から景瑚の隣に私がいるのは相応しくないという現実を突きつけられてばかりだ。








実際私は相応しくないのかもしれない。






それに私は付き合ってる時も彼に言ったことのない秘密にしていることがある。

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