姉さん 。【伊黒小芭内】

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" ここに鬼は来ない。だから安心してね。 "

布団で横になっている二人に私はそう言った。そして寝たのを確認し私は部屋を出たすぐ側の縁側に座る。
長期任務で寝ない日もありそれに慣れてしまったせいか、一日くらい寝なくても平気になってしまった。

明るくなりかけている空を見ながら私は、カナエちゃんとしのぶちゃんのことを考える。








「……なんて、惨いことを」








着物に付いていた血、きっと二人のご両親は目の前で殺されたのだろう。

また一つ、鬼の手によって幸せが壊されてしまった。
こうしている今も何処かで誰かの幸せが壊されているのかもしれない。








「呪い殺せたらなあ」








元凶である鬼の頭を、鬼舞辻無惨を

誰かを犠牲にして呪い殺せるなら私がその犠牲になりたい。
…いや、まあそれが出来ないからこうして私たち鬼殺隊は命をかけながら戦っているんだが。









「歯車が、まだまだ足りない感じかな」









人差し指と親指で丸を作り、その丸を消えかかっている月と重ね私はそう呟く。

少し早いけど朝餉の支度をしよう。
私はそう思いながらゆっくりと立ち上がり、台所へ向かった。









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