検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:232,665 hit

65日目 ページ20

.









「Aさん!!」








恵くんが私の名前を叫ぶ。
右腕に巻かれている木の根を鷹が切ったのと同時に私はその場に膝から崩れ落ちる。

腹に、腿に、肩に木の棘が突き刺さりシャツに血が滲む。
だけど痛みを感じない私には関係ない、どうってことない。ああ、けれど____
私は折れた右腕を見た。








「あのクソ雑草…私の手を…!」








画人の命ともいえる腕を、手を…私の命をアイツはいとも簡単に壊した。憲紀くんもやられ恵くんは憲紀くんを特級から遠ざける。
私は眉をひそめ舌打ちをし左手で落ちている巻物を拾う。









「我は汝らと契約を結ぶ者なり___」









そして、巻物を広げ呪力を篭めながら唱えた。
以前呼び出そうとしたが宿儺に邪魔され不発で終わった私の奥の手。









「____我が身を喰らいて力と為せ。」









詠唱を読み終えたのと同時に私の周りに強い風が吹き始め、雷が鳴り響く。そして、私から莫大な呪力が溢れ出る。
それを感じ取った恵くんは目を見開き私を見た。









「高菜」

「狗巻先輩!!それ以上は…!!」

「戯画操術___」

「Aさんも、今それ使ったら!!」









言われても尚私は術式を解除せず、棘くんは恵くんの肩に手を置き前に出る。
そして私と棘くんは目の前にいる特級を見据えながらこう言った。









「『ぶっとべ』」

「『風神雷神図屏風』!!」









棘くんが言った通り特級は吹き飛び、私の巻物からは2体の式神が現れた。
宙を舞う特級に式神の風神と雷神は攻撃を仕掛け、そして屋根に叩き落とす。









「棘くん!」









倒れる寸前のところで私は左手で棘くんを抱きとめる。けれどそれと同時に視界が揺れ私は膝から崩れ落ちた。









「…駄目、まだ私にはやることがあるだろ。2人を硝子さんのところに、連れて行かな、きゃ___」









一気に呪力を放出したせいで私の意識は遠のいていく。
その場に倒れる私が最後に目にしたのは、恵くんから游雲を受け取る真希ちゃんの姿だった。









.

66日目→←64日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (397 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1456人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

せう(プロフ) - 不穏が漂ってきてしまってきたな、、、、いやだあああああ!!!(楽しみにしてます) (2021年4月15日 23時) (レス) id: 71865eb671 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 過去編の話をみてみたいです。 (2021年4月15日 23時) (レス) id: 226fa6ece3 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください (2021年1月21日 19時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - フォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!続編おめおめです〜!!これからも無理しない程度に更新頑張ってください!^ - ^((矛盾 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コンペーと | 作成日時:2021年1月17日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。