＊えいと病院〜リハビリセンター〜＊

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〜Aside〜


大「大丈夫やからなぁ

ゆーっくり呼吸しよな…」



そう言いながら
背中を一定のリズムで
さすってくれる大倉先生。

その大きな手のひらから
伝わるぬくもりに
緊張していた気持ちも
少しずつ和らいできた。


大「落ち着いてきたかな？

突然やったから

ビックリしたよな(撫)」


「…ｺｸﾝ。

だいぶ楽になりました。」



大「良かった^^

しんどくなりそうやったら

遠慮せんと、いつでも言ってな？」



「はいっ…」



『……。』



大「…リハビリさぁ……。

　正直嫌よな。」


少しの間沈黙が流れあと
ボソッと言われた
大倉先生からの一言。


「えっ！？

…そっ、そんなことないです！」


図星すぎて…

動揺しちゃって
いつもより大きな声でそう答えた。


大「あっはっはっ！

そない気ぃ使わんでもええねんで〜。

だってさ、

リハビリ、めっちゃきついやろ？？

そのわりには、良くなるスピード遅いし。」



「・・・。」



大「Aちゃんは

どのくらいの痛さかっていうのを

既に知ってもうてるからこそ

“嫌やなぁ”って思う気持ちとか

“怖いなぁ”って思う気持ちがあって

当然のことやと思う…。」


淡々と…でもひとつひとつ
丁寧に言葉を選んで
語りかけてくれる大倉先生。


大「怖かったよなぁ…。

病院に来るのも、リハ室に入るのも。

勇気いったよな。

それでも逃げずにちゃんと来てくれてさぁ、

Aちゃんはほんまにすごいなぁって思う。

来てくれた時めっちゃ嬉しかったんやで^^」



「うぅ……ｸﾞｽﾞっ……涙」




大「うんうん^^

よぉ頑張ったなぁ。


Aちゃん？

そない無理せんでええからな(撫)」


…先生に迷惑をかけちゃいけない。

リハビリは絶対受けなくちゃいけない。

痛くても我慢しなくちゃいけない。

弱音なんか吐いちゃいけない。



自分の気持ちをぐっと押し殺して

“〜しちゃいけない”っていう言葉で
縛っていた心の縄を

大倉先生はゆっくりゆっくり
ほどいていってくれて…

「ｸﾞｽﾞ……ﾋｸっ……涙」

その優しい言葉の数々に
涙の糸もプツンと切れた。

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