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蝶
「赤葦今日1日当番ないの？いいなー」
「うん、そのかわり明日は沢山入るから」
「なになに、赤葦招待試合でんの？すげーじゃん」
「よーあかーし！」
「おはようございます」
「なーんか試合2時からだから、午前は色々見て来ていーってよ」
「最初どこ行く？」
「すみません、とーります！」
『そんなに急がなくても平気だって」
「もー緊張して居ても立っても居られないの！！
「みんながみんなAみたいに冷静じゃないんだからね？！」
『はは、ごめんごめん』
「よし、まずはチア部を見に行こう！」
「異論なし！！」
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８ 蝶 ページ8
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彼女は蝶のように脆くはない、というのは俺の勝手なイメージだった。
文化祭当日。1年は原則屋台と決まっており、うちのクラスは定番のお好み焼きをやるらしい。
クラスメイトがおそろいのＴシャツを着る中、俺は1人だけユニフォームを纏っていた。
「うん、そのかわり明日は沢山入るから」
「なになに、赤葦招待試合でんの？すげーじゃん」
慌ただしく開店する皆に詫びを入れ、先輩と合流するためにクラスを抜ける。
体育館に向かう廊下を急いでいると、前から同じくユニフォームを着た先輩方が歩いてきた。
「おはようございます」
「なーんか試合2時からだから、午前は色々見て来ていーってよ」
「最初どこ行く？」
「俺はらへったー！」
先輩の言葉に若干拍子抜けし、駆け足を止める。
すると先輩方の後ろから、色とりどりの衣装をまとった数人が急いでこちらに向かってくるのが見えた。
『そんなに急がなくても平気だって」
「もー緊張して居ても立っても居られないの！！
「みんながみんなAみたいに冷静じゃないんだからね？！」
『はは、ごめんごめん』
友人との会話で笑顔を見せる彼女がいた。
1人だけペースを速めず最後尾を走っている。
道を開けた俺らをちらりと目をやり、小さくぺこりとお辞儀をする。
青い衣装で身を固め、少しだけメイクをしているようだった。
すれ違う瞬間、かすかに薔薇の香りがした。
木兎さんたち駆けてゆく小さな女子たちをひょいひょいと交わし、その後姿をじーっと見つめる。
「異論なし！！」
腹減りさえも忘れて色物に走る先輩方に呆れながらも、願ったり叶ったりの状況に心の中で小さくガッツポーズを握った。
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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (
レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki | 作成日時：2020年6月2日 0時
