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10話 ページ10

Aが柱を引退してから四年。

当時から変わらず岩柱の悲鳴嶼行冥、音柱の宇髄天元、水柱の冨岡義勇、風柱の不死川実弥。

それから炎柱の煉獄杏寿郎、蛇柱の伊黒小芭内、蟲柱の胡蝶しのぶ、恋柱の甘露寺蜜璃、霞柱の時透無一郎。

今では九つの柱が揃っていた。

お陰で柱級の任務に就くことは少ない。


『うんうん、こうして昼間からお団子は幸せ〜』

「本当に好きだな、それ」

『好きだよ〜、美味しいし』


隣に居るのは音柱の宇髄天元。

宇髄は持ち帰り用にしてもらった団子詰め合わせを隣に置いていた。

三人のお嫁さんに、とのことで。

宇髄はAの団子を食べてる姿を見て呆れていた。


「そんな幸せそうに食べるのな」

『今朝まで鬼と追いかけっこしてたんですぅ〜!』

「そんなことしてたんか」

『ちょこっとすばしっこくてさ〜。
危うく遅い隊員の頸まで落とすとこだったよ〜、まあ嘘だけど』


Aの上がり下がり激しい気持ちに、宇髄はそろそろついていけない。

よく不死川はこんなやつの事を好きになったな。と思うほどには。


『で、なんで宇髄はここに居るの?』

「最近ここは物騒だっつーから、お前が襲われないように見張ってんだよ」

『あらやだ素敵な男』

「俺が不死川に殺されるからやめろ」


その言葉を聞いたAは、口に含んだ団子を飲み込んで話し出す。


『不死川玄弥。
その子、彼の弟なのかな』

「……さぁな」

『まぁ実弥のことだから、もしここまで来てたら「お前は来るんじゃねェ」とか言って追い返しそうだけど』

「そうかぁ?」

『うん、多分接触禁止令とか出されそうだねぇ』

「ははは、ありそうで怖いこと言うなよ」


宇髄は全然笑えない。Aは笑顔だが。

Aは一通り笑うと、最後の団子を食べて宇髄を見上げた。


『で、本当の理由は何?』

「……」

『それ、注文の内容を聞く限り、あの御三方の好みとはかけ離れてたけど』

「……」

『それに御三方の好みは団子よりも菓子。
どっちかって言うと、私の好みよね?』

「……お前のその勘の良さにはお手上げだ。
正解だ」


Aは笑う。

宇髄はため息を吐いて話し出した。


「御館様がお呼びだ」


緊張した面構えの宇髄に対して、Aは笑った。

御館様。

鬼殺隊の統率者。


『分かった。
行くよ』


Aの返答に、宇髄は安堵した。

四年前、Aが柱を降りた時の様子を知っているのから。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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