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32話 ページ32

柱級の隊員二人と、上弦の参。

近くで見ていた炭治郎や伊之助は、目で追いつきもしなかった。


『煉獄!!』

「ああ!!」


先程から、何度か二人でお互いの名を呼びながら連携取っていた。

その様子に猗窩座は笑う。


「今まで殺してきた柱の中に二人の呼吸はいなかった。
そして俺の誘いに頷く者もなかった」


猗窩座の言葉に、煉獄もAも相手の動きを見ながら言葉を聞く。


「なぜだろうな?
同じく武の道を極める者として理解しかねる。
選ばれた者しか鬼にはなれないというのに。
素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく!
俺はつらい、耐えられない、死んでくれ杏寿郎、A。若く、強いまま!!」


何度か技を交わしながら二人は気づく。

鬼殺隊最速の一撃と言われているAよりも、さらに速い一撃。

さらに遠距離でも戦えていることに。

どちらにせよ不利な状況が続く中、煉獄は判断した。


「攻め込むぞ」

『了解』


二人は即座に猗窩座に近寄り、三人が顔を合わせる。


「素晴らしい反応速度」


煉獄とAの攻撃を立て続けに躱す猗窩座。

せめて、柱があと一人、あと一人だけでも居てくれれば。


「この素晴らしい剣技も失われていくのだ杏寿郎、悲しくはないのか!!」

「誰もがそうだ、人間なら!!
当然のことだ!」


Aは猗窩座の攻撃を躱し、腕を落とそうとするも、即座に再生して不可能だった。

そんな時、今度は炭治郎に叫んだ。


「動くな!!傷が開いたら致命傷になるぞ!!待機命令!!」

「弱者に構うな杏寿郎!!全力を出せA!!
俺に集中しろ!!」


Aは刀を鞘に仕舞うと型を構えた。

煉獄も、猗窩座も構える。


三つの大きな力が、ぶつかりあった。


煉獄とAの息が上がる。

炭治郎や伊之助は、恐怖から動けない。


「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ杏寿郎、A。
二人が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった。
だが、お前たちはどうだ?」


Aは首付近から血を流し、煉獄は左目を潰していた。

そして骨もいくつか折れ、内臓も傷ついていた。

満身創痍な二人に対して、鬼の猗窩座はほぼ無傷だった。


「鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ。
どう足掻いても人間では鬼に勝てない」

「俺は俺の責務を全うする!!
ここにいるものは誰も死なせない!!」

『私も元柱として、今ここを守り通してみせる。
たとえ自分が死んだとしても!!』

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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