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31話 ページ31

たくさんの人を列車から出している時だった。

すごく大きな衝撃音が聞こえた。


『っ!
この音……』


Aは中で傷ついている人たちを、外に出していく。

その時に先頭車両付近から、強い鬼の気配を感じて走り出した。


『これは、十二鬼月……上弦級の』


Aがそこにたどり着くと、煉獄が刀を構えて話していた。


「ならない」

「見れば解る。お前の強さ。
その闘気、練り上げられている。至高の領域に近い」


煉獄と上弦の参が対峙している時、横から凄まじい速さの一撃があった。


「っ!」

『これでも避けられるのか……』


Aは着地すると、上弦の参を睨む。

今までの鬼と、圧が全然違う。


「お前、速いな。
だが、これは俺とあいつの戦いだ」


Aがハッとした時には、すでにその鬼は前に居て。


『っ!』


Aはすんの所で呼吸で回避するが、その勢いのまま列車に背中を打ち付けた。


「石黒!!」

「Aさん!!」

『大丈夫』


Aは何事も無かったかのように土煙の中から出てきた。

上弦の参はその様子のAに感心する。


「お前、先程のものを受けて立っているとは。
先程の言葉は撤回しよう。お前も鬼になれ」

『断る』

「お前も柱だろう。そいつよりも強い柱だ」

『場数が違うだけで、こいつの方が強いよ』


そこで煉獄と目線を交わす。


「俺は炎柱の煉獄杏寿郎」

『私は鬼殺隊隊員の石黒A』

「俺は猗窩座。
杏寿郎、A、なぜお前たちが至高の領域に踏み入れないのか教えてやろう。
人間だからだ。老いるからだ。死ぬからだ。
鬼になろう杏寿郎、A。そうすれば百年でも二百年でも鍛錬し続けられる、強くなれる」


猗窩座。

そう名乗った上弦の参の言葉にAは舌打ちする。

その時、炭治郎が加勢しようと、自身の刀を探していた。

そんな中、煉獄が答える。


「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。
老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく、尊いのだ。
強さというものは、肉体に対してのみ使う言葉ではない。
この少年は弱くない。侮辱するな」


煉獄は鬼を真っ直ぐ見据えた。


「何度でも言おう。
君と俺とでは価値基準が違う。
俺は如何なる理由があろうとも、鬼にならない」

「Aはどうだ?」

『……隣の煉獄と、同意見だよ』

「そうか」


そう頷くと、猗窩座は構える。

同時に煉獄やAも構えた。


「鬼にならないなら殺す」

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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