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2話 ページ2

南南西地区に着いたAは、久しぶりの空気に深呼吸した。


『ふぅーーー』


柱を辞めて一年。

道中、鎹鴉の雷生(らいせい)の会話で、誰が亡くなったのかを知った。


『雲柱、かぁ』

「アイツ、Aノコト、好キダッタ」

『えー?そう?』

「ウン、絶対、ソウ」


雷生の言葉にAは笑っていた。

ただ笑うだけの彼女に、雷生はため息を吐きたくなる。


「壬ニナッタ時カラ、ソノ格好シテル」

『まぁ、流石に下っ端でこの格好は無理でしょ』

「多分、Aノコト、狙ッテイタ」

『えー?まっさか〜』

「アイツハ、ソウイウヤツ」


雷生の前の主は、殉職した雲柱の同期だったらしい。

だが、早くにして亡くなり、Aと共にするようになった。

と、丁辺りで聞いた。

雷生からの視線が痛かったAは、続く道を歩いた。


『……別に相手が好いてようがなんだろうが、私たちの使命は鬼を滅すること』

「A……」


Aが雷生を撫でながら歩いていると、背後から走る足音が聞こえた。

通り過ぎるだろうと思っていたら。


「あ、あ、鬼狩り様!!」

『ん?』


振り返ると、そこには着物が乱れた青年が立っていて。

その呼び方からして恐らく藤の紋の家の者だろうか。


『どうかしましたか』

「あの、屋敷が鬼に!」


よく見ると、彼の裾や袖は赤くなっていた。

一部は酸化して茶色に変色している。

Aはそれを見て、青年に問いかける。


『怪我は?』

「俺は大丈夫です」

『屋敷まで、案内してください』

「は、はい!ここです!」


青年が走り出すと、俺をAは追いかける。

その後を追いながら、Aは雷生に言う。


『屋敷に着いたら蝶屋敷に連絡、隠しも呼んで』

「分カッタ!」


雷生の元気な返事を聞くと、Aは緊張感を持ってそこに向かった。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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