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9話 ページ9

Aside


学校帰り。

今日も推しが尊かったことを実感しながら帰っていた。

門を出て少しすると、推しが、不死川くんが立っていた。


「よォ、今から時間空いてるか」

『え、あ、はい、空いてます』

「じゃあ、ちょっと付き合ってくれね?」

『え……うん、いいけど……』

「んじゃ、俺ん家寄ってお前ん家寄って、お互い着替えてから行こうぜ」

『う、うん……』


なになになになに、どういう展開ですか今。

何事ですか!!!!

心臓バックバックしてますね!!だって推しが隣を歩いてるんです!!

私の命日な気がする。


「なぁ、」

『は、はいっ!』

「宇髄とは仲良いよな」

『あ、まぁ、そうですね。
幼なじみで、お互い出会った頃は喧嘩しかしなかったんですけど、ある日急に何でも話せる仲になって』

「ほーん」


なぜ、なぜ私と宇髄の仲を聞かれてるんだろうか。


「好きなんか?」

『はい?』

「だから、宇髄のこと、好きなんか?」

『んー、友達としては最高だけど、付き合いたいかって聞かれたらこっちから願い下げですね』

「へぇー、なんで?」

『なんでって……、嫌いじゃないけど、宇髄はどっちかって言うと兄弟みたいな感覚ですよ。
幼稚園の頃から同じなので、兄であり弟である、みたいな』


私は疑問に思いながらも答えた。

不死川くんは変わらず、ふーん、と言っていた。

一体何なのだろうか。


『どうしたの、急に?』

「ん、いやぁ?
休み時間、いつも宇髄と一緒にいるから」

『あ、うん、普通に落ち着くから、私が。
彼には申し訳ないんだけどね』


申し訳ないんだが、この顔面国宝級の推しを目の前にしてみろ。

私の精神が死ぬんですよ。


『なんか、ごめんね。
宇髄と話したいはずなのに』

「それは別にいいんだけどなぁ」

(――お前と話したい、って言ったら、こいつはどんな反応すんだろうな)


それから、不死川くんの自宅に着くまで、無言でした。

と言っても、五分も無かったんですけど。


あっ、制服姿も、私服姿もとても素敵ですね!!!

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時

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